ただ好きでいたいだけ【再会編】 (ページ30)

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#07-4 ページ30

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ママ「その子に甘えてしまって傷付けたの。
どうしても一歩踏み出せず、その子は遠くに行っちゃった」

「…そうですか」

じわじわ蘇る、そのときの私たち。

何も返事出来ない私にママは冗談で
「吸う？」と煙草を渡せれて首を横に振る。

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ママ「ふふ…

今でもきっと、想ってるんだよね。その子のこと」

「でも、その子は傷付くのが嫌で
逃げたんですよ？？嫌じゃないですか？？」

そうだ、あのときだって
結局は逃げだったんだ。

いい思い出だなんて言わない

過ちと言ってもいいのだから

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「きっと好意なんて抱いてないよ…」

バンっとグラスを置いた音に
肩を上げてママを見ると

ギロっと睨み効かせて「ばかじゃないの」とため息をつく

そして席から外れて何冊ものノートを
突き出すと「見てちょうだい」と
1冊手に取ってページを開く。

「これ…」

ぎっしり書かれた内容、それは

レシピや、行った店での自分なりの感想

理想とする店内のイメージ図

たまに落書きが混ざっていて不意に笑みがこぼれる

ママ「見覚えあるんじゃない」

「…はい、知ってます。この字も、あの親子丼の味も」

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