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「はぁ……」
暗い気分を吹き飛ばす為に外を見ながらため息をつく。まぁ意味はなかったけれど。
どうやら、先日嫌われた使用人さんはだいぶ上の位の方らしく、みんなに私の醜態を晒したらしい。つまりは、
その上、今日は志麻様、という方に挨拶をすることに。一応言伝はしてくださっているらしいけれど、きちんと面と向かって挨拶をしろ、と。地図を貰ったから一人でいくようだ。心配しかない。
それにしても、どちらに食われると言うのだ。もちろん断固拒否だけれど力の差と言うものがある。最悪叫び散らかすつもりだ。
「……ここ、で、良いんだよね」
何度か深呼吸をして固まった体を解すと、硬い声で呼びかけると、ふー、という吐息の後に入る許可をする趣旨の緩い返事が返ってきた。ゆっくりと襖を開ける。
「お、君がAちゃんか、初めまして」
「……あ申し訳ありませんごめんなさい」
志麻様がちらりとこちらに視線を寄越した瞬間、襖を力いっぱい閉めた。
……何故、情事後のような色気があるのでしょう。
赤い羽織を腰元まで垂らし窓辺で煙管を吸っている所から流し目で見られた。白が少し交じった紫の髪が風で靡いて表情を隠しており、何かがグサリと刺さった。
う、昨日から心臓が落ち着く隙がない……小夜さんが言っていたのはこの人なの……？
「……嬢ちゃん、大丈夫？」
「……ぁ、はい！大変失礼致しました」
しばらく悶絶していたら、見兼ねた志麻様がこちらまで来てくれた。
一瞬見上げたが、「だいじょぶ、です……」と言いながらふらふらと視線を下に下ろす。「大丈夫くないやん」と笑われた。
「こっち入って取り敢えず落ち着き」
「はい、失礼します……」
手を引かれて中に入る。途端に甘ったるい匂いが脳内にまで侵食してきて噎せ返りそうになった。……本当に陰間の皆様は、自分の部屋が神域になっておられるのですね……
「え、ほんと平気？クラクラしてるけど」
「はい、ちょっと香りに耐性がないだけですので……」
半ば支えられるようにしながらどうにか座布団の上に座り込む。向かい側に志麻様も座った。
「……なんと言いますか」
「ん？」
「色気が半端ないですね」
本当に、そこにいるだけで重圧的な色気が漂ってきて、頭が良くまわらなくなってくる。物凄く強い香水みたいだ。
ところが当の本人は何を考えているのか、顔を蕩けさせて恍惚とした笑みを浮かべた。
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
