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*
と、使用人さんのじっとりとした視線に気がついた。……なんだろう？
「貴方、先程まで何をしていたのですか」
「先程、って……」
瞬間、思い出されるセンラさんの行動。その全てがありありと頭に思い浮かび、ぶわりと顔に熱が灯った。
その姿に使用人さんはため息をつくと、さらに問いをとばしてくる。
「彼処はセンラ様の部屋の前でしょう。まさかとは思いますが、覗きなんて犯罪は犯していないでしょうね」
「そ、そんなことありません！そんな変人のような……」
犯罪者扱いされるとは思っておらず、思わず声を大きくして否定する。しー、と窘められて口を抑えた。もう夕方だ。早い人は始めていると思う。最悪なことをしてしまった。
彼女はその顰めた表情のままさらに声をかけてくる。
「貴方は小夜様の何なのですか」
「小夜さんの……？」
問われている意味がわからずにただオウム返ししか出来ない。私は誰かのもので居なくてはいけないの？
そこでやっと、使用人さんの棘のある視線に気がついた。それはまるで自分の縄張りに入ってきた敵を排除するかのような、敵対心剥き出しの強い視線だった。……邪魔者だと思われているのは、一目瞭然だ。
「その呼び方だってそうです。使用人の癖してさん付けなんて、失礼にも程があります。増しては貴方は私よりも新人でしょう」
嫌忌の言葉の数々に衝撃を受ける。特に今日は浦田さんにとことん甘やかされた後だったからか、心臓に強く突き刺さった。
「……すみません」
「きちんと身の程を弁えてください。とても不快です」
最後の言葉がトドメを指した。足元がぐらつくのを必死に踏ん張って耐える。
「着きましたよ、道くらい覚えてください。仕事中に話しかけられるとはっきり言って邪魔です」
「……善処します……」
邪魔、不快、邪魔、不快……
罵詈雑言の数々を復唱してズドーンと心に痛みを負った。かなり酷い言われようである。
「では失礼します。あなたも最低限の礼儀はできるでしょう？」
「はい、すみません……」
私は精一杯気持ちが伝わるように深いお辞儀をしてみせた。ところが、使用人さんは私を忌々しげに一瞥すると、くるりと踵を返して元の道へ行ってしまった。
私はそのまま立って、使用人さんが去っていくのを見届ける。
どーん、とかの可愛い音なんかではなく、どごぉん、みたいな大きな穴が心に空いてしまった気分だ。辛い。
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響 - めちゃめちゃ好きです！よかったら続きお願いします✨ (2022年5月23日 21時) (
レス) id: c19490a4d5 (このIDを非表示/違反報告)
甘党ミカン - 4人とのやり取りにニヤニヤしてました((どうでもいいかもですけど笑ってるけど目元が笑ってない怒り方ってなんか怖いですよね(自分だけかも)最近､花魁等にはまってるのでこういう作品をありがとうございます(*´▽｀*)更新頑張って下さい! (2020年9月25日 2時) (レス) id: 8dcda58632 (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - のこさん» コメントありがとうございます！いやいや、私も書きながらニヤニヤしてるので！いや寧ろ、カオナシみたいに語彙をなくしているので！多分私の方が気持ち悪い……です！のこさんこそ、コロナにお気を付けてくださいね。コメントありがとうございました！ (2020年5月13日 6時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
のこ - 更新お疲れ様です！とても面白かったです！！urtさんサイド最高です！一人で2828してました！！(キモいですよね…)更新頑張ってください！コロナウィルスにも気おつけてくださいね。コメント失礼しました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: e0ede7313f (このIDを非表示/違反報告)
絵怜音(プロフ) - ゆりま(ゆきな)さん» コメントありがとうございます！花や、花良いですよねー！私も好きです！面白かったですか！嬉しいです！更新頑張ります！ (2020年5月9日 9時) (レス) id: d5db198697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵怜音 | 作成日時：2020年4月4日 18時
