ドSカップル【うらたぬき】

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さて、長年の戦い(単なる言い争い)を経て決まった名前、＿＿＿指スマ＿＿＿で、勝負は幕を開けた。


ちなみに掛け声はいっせーのーで、です。それだけは譲らん。




「いっせーのーで、いちっ！！」


っしゃあさっそく左手おさらばぁ！！！


「……ッチ、いっせのにっ！」


「ちょ、わたる、そーやって早くやるのはなしでしょ！！」


「うっせーなAさっさとやれよ」


「なぁにこれ如きにムキになっちゃってんのわたるクーン？？」




なにこれ。


ねえなにこれ。


なんで大の大人が必死に小中学生の原始的なゲームしてんの？？




「提案したのAじゃん」


「そういう話じゃないんだよああもううるさいなぁ！！」


「だいたいさ、だいたいさ「やめろ」ふぁい」



ああもう！なんかわたるがやたらとボケに突っ走るんだけど！？そこ私の席！！お前の席ねーからっ！！





「はい、続きやりましょ。……はい、いっせーのーで、ぜろっ！！……あっ。」


「お前っ、ゼロ言いながら指あげるってバカじゃん！！」


しくった。くそが。


「へぃいっせーのーでごっ！！」


「お前も大概じゃん」


2人なのにごってわたるもばかじゃん。





っ、くそっ、このままじゃ拉致があかねえっ！……っどうすれば、どうすればいいんだっ！！


「……よし、俺は、この一撃にかけるっ！！」


「わーたいへんだーさっさとしろ」



うっわあKYのお通りでぃーす。



「うるぁっっっ！！いっせーのーでっ！さんっ！！」


「ぁ、やべ」


「っしゃあああああっっっっっ！！！！！」


やりました！A選手、奇跡の勝利！！


あーあ、といいながら立ち上がるわたるを優越感に浸りながら眺める。やったね。




「ねえこれスタンプいれちゃだめ？」


「ボケが。俺が許すとでも？？」


「いやあ、わたるクンって、優しいからぁっ？？」


「アホ」


流れるような仕草でスコンっと頭を叩かれた。ねえ痛い。





駄々を捏ねたらめんどくさそうにスタンプを許してくれたよ。さっすがわたしのわたるクン、優しいね。

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