誘 拐 犯 。@K.Tomohiro

episode 9 ページ9

大「いや、ホンマやねんって！ ちょっと休憩しよか思うてやっとってん！ そしたら望帰ってくるやん？ で、一緒にやりよったらいつの間にかあんな時間に……」

『はいはい、いつものダラダラね。』



待ち合わせの電車で何故か大毅の説教をしているアタシ。



昨日、望君にLINEを送ったら、


Non兄貴なら俺が夜帰ってきたらもうゲームしよったで。 勉強せんで大丈夫なんって聞いたんやけど、大丈夫やって言うけん放っといてんけど。



っていうまぁ何とも間抜けな返事が返ってきた。



大毅は大学生から実家出たらしくて、そこに同じ年に高校生になった望君も通学に便利だからって一緒に住んでるんだって。



大毅への呆れと同時に、兄弟の仲の良さを感じて微笑ましく感じた自分がいたのも事実。



でも、やっぱり大毅が勉強してないのも事実で。



望君に話したら、それはアカンって止めさせてくれたみたい。


本人に言ったら怒るから言わないけど、望君もうるさいとはいえ大毅よりは大人だ。



大「ほんまにする気はあってん。 でも何やろ。 もうホンマに気づいたらあんな時間やってん！」

『いや、アタシは別にええねんけどさ、困るんは大毅やで？』

大「このままじゃあかんってのは分かっとんやけどさ…」

『もうそこは大毅次第やで。 ほら、大学行ったら世話焼きの花奈の説教が待っとんで。』

大「うわー。余計うっさそうやなぁ…」



ﾌﾟｼｭｰ。



智「おはよ。」

『神ちゃんやん。おはよ。』

大「あ。もうこんなとこか。 おはよ。」



話し込んでたら、事の発端の神ちゃんが乗る駅に到着。



智「昨日はゴメンな。 急にLINEして。」

『別にええんよ。 大毅か花奈ん時は大体夜遅いで迷惑やもん。それに勉強のサボりも発見できたし。』

智「シゲまたのんちゃんとゲームしよったん？」

大「いや、それはあの…『おん。またやで。』」

智「ホンマにシゲは懲りひんなぁ。 ゲームばっかりして、高校で提出物間に合わんで毎回2週間トイレ掃除させられたんに。 俺巻き添え食らって大変やったんやで？」

『そんなことまでやらされとったん? 何や、神ちゃん災難やな。』

大「あの禿げたクソジジイが悪いねん。」

智「あ、シゲは知らんやろうけど、その呼び方も怒っとったんであの先生。 まぁ、俺も禿げたクソジジイや思うとったけど。」

『口に出したんが負けやな。 あ、そう言えば話って。』

智「あ、みんな揃って話すわ。」

大「結構大事な話なん？」

智「まぁ、な。」

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