誘 拐 犯 。@K.Tomohiro

episode 15 ページ15

大毅side



それから3人の協力もあって、Aと無事付き合うことになった。



Aは勉強もまぁまぁ出来て、アホな俺でも、テストの度に課題を手伝ってくれる。



お互いの家にも行くようになって、俺に似て人見知りが激しい望も、Aには何故かすぐ懐いた。



料理も上手くて、料理男子の神ちゃんと肩を並べるぐらい。



オマケに、可愛い。



俺が初めての彼氏やって言うてたけど、ホンマは嘘なんちゃうかって何度考えたか分からない。



付き合い始めてから思った。



俺は、誰もが思い描く理想の彼女を持ったって。



その幸せな思いは、一緒におる時間を重ねるほどおっきくなっていって。



せやけどその分、他の奴に取られてまうんやないかっていう不安も比例するように大きくなっていった。



当の本人は全く気にせず、他の男、特に今フリーな神ちゃんと何も気にすることなく話しとる。



今も、俺らが課題に精一杯取り組んどるこの間にも、Aと神ちゃんは仲良く料理作っとる。



望と萩花はええよなぁ。



今も呑気に、



望「Aちゃんの料理ムッチャ上手いんやで！」

萩「そうなんやぁ。 好き嫌い多い望が言うことやったら間違いないんやろうなぁ。」

望「おん！ 後神ちゃんも料理男子やし、今日は美味いもん食うでー！」

萩「よっしゃ！どっちがいっぱい食べれるか勝負や！」

望「アカン！ そしたら萩花太ってまうやん！」

萩「ええの！ それとも、ウチが太ったら望はもうおさらばなん？」

望「んなわけないやろ？ ったく萩花は策士なんやから。 言ってほしいだけやろ？ 好きやで。 萩花。」

萩「ウチも、好き。 望。」



見えてないからって、隣の部屋で堂々とイチャつきやがって！



今の間にも神ちゃんとAは…



あぁもう考えたらアカン！



親友まで疑うってホンマに俺最低なヤツやん。



高校時代に付き合ってた時には全然感じたことのない、



いや、むしろ今まで一度も感じた事の無いこのモヤモヤとした感情。



これが恋愛ドラマとかでお馴染みの、




《嫉妬》ってもんなんやろうか。

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