妄想吐露〈ym×in〉

＊ ページ5

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夏休みに入った。


「あーつーいー…」
「やめてよ、もっと暑くなるじゃん」


今日もやまだはうちに来て勉強をしている。
夏休みなのに偉いなぁ。
俺は暑さに負けて、冷房の風が当たるベッドの上に寝転がっていた。


「あー…大ちゃん今頃なにしてるんだろ…」


やまだは俺が大ちゃんのことが好きなことを知っている。
大ちゃんのことが気になり始めた時、男同士なのに、って悩んでた俺に、好きに性別は関係ないんじゃない？と言ってくれたのがやまだだった。

それから俺は、やまだに恋愛相談をするようになった。
恋愛相談っていっても、大ちゃんに関することを俺が一方的に喋って、やまだはうんうんって聞いてるだけなんだけどね。


「そんなに気になるなら、連絡してみればいいじゃん」
「やだよ！用事もないのに連絡したら変に思われちゃうじゃん！」
「伊野尾ちゃんはさ、」


急にやまだが勉強をやめてこっちを向くからびっくりした。


「なに？」
「大ちゃんに告白しないの？」


告白か…


「うーん、しないね」
「なんで？」
「気持ちを伝えたところでどうにかなるとも思わないし、今の関係を壊したくないから、かな」
「ふーん、そっか」


そう言ってすぐ勉強に戻ってしまった。
やまだから話を振ってきたくせに。
真面目に答えなきゃよかった。


ピロンッ


「あ！大ちゃんからメッセージ来た！」


メッセージの返信を考えていた俺は、やまだが悲しそうな顔をしていたのには気が付かなかった。

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