苦いコーヒー ページ6
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『おはようございます…』
隼「…暗っ!何?!体調悪いの?!」
『…隼うるさい…』
隼「今日はコーヒーの方が良さそう?」
『…そうね、そうして…』
寝不足のまま、リハのために事務所に向かえば、隼に賑やかに声をかけられる。
隼「Aばあさん、お待たせしたねぇ…」
『あらあら、隼じいさん悪いねぇ…』
玲於「…何?何の茶番?」
老夫婦のように隼とのんびりしていたら、後ろから玲於にツッコまれた。
『…ダメだ、限界。ちょっと寝かせて…』
隼「…机に突っ伏すと浮腫むから、玲於が肩貸してくれるって!」
『…玲於、肩貸して〜…』
玲於「は?!バカ!何言ってんの…っ!?」
拒否しようとする玲於を無視して、その肩にもたれかかると、隼はニヤニヤしながら遠くへ逃げていった。
玲於「…昨日も亜嵐くんのとこ行ったの…?」
『ん…』
玲於「…付き合ってんの?」
『…何、それ…(笑)』
玲於「…今日、髪下ろしとけば?」
『…やだよ…踊りづらい…』
玲於「…ココ…跡ついてる。」
先程、隼と話しているときに見つけたのだろうか。
うなじをそっと撫でられて、思わず玲於の肩から飛び起きる。
『…何、言ってんの…?』
玲於「…付き合ってるんだったら別に…そういうこと…あってもおかしくないと思うけど…Aの仕事分かっててこういうことするの、俺は違うと思う。」
『…私に言われても…』
玲於「…じゃあ亜嵐くんに言う。」
『やめて!』
立ち上がろうとした玲於の腕を掴んで、隣に座らせる。
玲於「お前さ…」
『…分かってるよ…遊ばれてるのなんて…』
玲於「…自分のこと、大事にしろよ…」
『…だって、好きなんだもん…』
玲於「だからって、」
『…分かってるよ…私、ちっとも亜嵐くんのタイプじゃないし…繋がって、発散できればそれでいいって思ってることも…』
玲於「…じゃあ、何で…」
『優しいんだよ、すっごく…愛されてるって、勘違いしちゃうくらい…』
隼が淹れてくれたコーヒーの紙コップを手のひらで包むと、ほんのり温かい。
『…その瞬間だけでも、私は亜嵐くんの“モノ”になれる…それで幸せなの。』
紙コップを傾けて、コーヒーを啜る。
玲於「“モノ”って…」
『オモチャみたいなもんでしょ?私…』
そう言った後、思わず顔をしかめてしまったのは。
玲於「…なぁ…もっとお前のこと、大切に想ってくれる奴が…他にいるんじゃねぇの…?」
玲於の言葉のせいか、苦い苦いコーヒーのせいか。
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usa(プロフ) - 突然のコメント、失礼いたします。つい先日この作品に辿り着き、とってもハマって何度も読み返しています!続きのパスワードについて、私も教えていただきたいです!引き続き、更新を心待ちにしております! (2020年10月11日 23時) (レス) id: a03a04a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
sui(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっとこの作品が好きで、何度も見返しています。続きの2のパスワードは教えてもらえないでしょうか…? (2020年10月6日 11時) (レス) id: 2efd24e246 (このIDを非表示/違反報告)
冬 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 メンバーさんそれぞれの台詞の時行間隔あけて はどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年5月1日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆんさん» もう、リアルいっちゃん見るたびに早くイチャイチャさせたくて仕方なくなります(笑)あのビジュアルで、お前しか考えられないとか言われたら…もうぶっ倒れもんですよね…! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - みなさん» 絶賛作成中です!ひと段落ついたらパス外しますので、しばらくお待ち下さい! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年6月10日 0時