君のためにしたことが ページ37
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亜嵐さんが、フラリと倒れそうになったAに1番に駆け寄って、細い身体を抱き留めた。
と思ったら、人目もはばからず、チュッチュチュッチュと…
なんだ、この展開は。
いや、樹と付き合いだした言うてたの、ついこの間やん…
健太「…あーあ、だから大丈夫?って言ったのに…」
陣「…健太、なんか知ってるん?」
健太「え?いや、別に?」
わざとらしく大声で、ニヤニヤとしながら言う健太に問いかければ、スッと樹が間に入り込む。
樹「…健太さん、どういうことですか?」
健太「ちょっ…圧がすごい…!」
樹は、冷静に聞いたつもりだろうけど、グッと握り締められた拳は、血が滲むんじゃないかってくらいに力が入っていて。
樹に、今、伝えるべきではない。
直感でそう思ったとき。
健太「…分かった!分かった!話すから落ち着いて!」
健太がニヤリと笑ったような気がして、慌てて、その口を塞ぐ。
陣「健太は余計なこと言わんでええ!リハ!続けような!」
樹「…陣さんも、何か知ってるんですか…?」
陣「は?!俺?!何も?!何も知らんよ?!」
健太「陣さん、怪し〜(笑)」
陣「うるさいわ!健太は黙ってリハする!樹はAに付き添ってやり?」
健太「…今は行かない方がいいんじゃ…」
陣「健太は黙ってリハする!」
健太「ラジャー!」
ふざけて敬礼なんかもして、他のメンバーのところに駆けていく健太を見送ると。
すっかり暗い表情で動けなくなっている樹がいた。
陣「…心配なんやったら、側にいたり?そのまま踊ってたら、樹まで怪我すんで?」
愛しい彼女のことが心配なんだろう、と。
そう思って、かけた言葉を、俺はずっと後悔することになるとは。
樹「…すいません、ちょっと…行かせてください。」
スタジオを後にする樹を見送ったときには、まだ気付きもしなかった。
健太「…あーあ、行かせちゃったんだ。」
陣「…何があかんのよ。」
健太「…Aちゃんのこと抱き上げた亜嵐さん。すっごいオスの顔してたから。いっちゃん、行かない方が良かったんじゃないですか?」
陣「…は?」
健太の言っている意味が分からなくて、聞き返せば。
健太「…亜嵐さん、その気になったらAちゃんのこと襲うのなんて簡単だなーって。」
返ってきた言葉に、一気に血の気が引く。
健太「…修羅場になるなぁー。だから、けんた不安だなーって言ったのに。」
ぶつくさ言う健太を横目に、俺もスタジオを飛び出した。
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usa(プロフ) - 突然のコメント、失礼いたします。つい先日この作品に辿り着き、とってもハマって何度も読み返しています!続きのパスワードについて、私も教えていただきたいです!引き続き、更新を心待ちにしております! (2020年10月11日 23時) (レス) id: a03a04a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
sui(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっとこの作品が好きで、何度も見返しています。続きの2のパスワードは教えてもらえないでしょうか…? (2020年10月6日 11時) (レス) id: 2efd24e246 (このIDを非表示/違反報告)
冬 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 メンバーさんそれぞれの台詞の時行間隔あけて はどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年5月1日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆんさん» もう、リアルいっちゃん見るたびに早くイチャイチャさせたくて仕方なくなります(笑)あのビジュアルで、お前しか考えられないとか言われたら…もうぶっ倒れもんですよね…! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - みなさん» 絶賛作成中です!ひと段落ついたらパス外しますので、しばらくお待ち下さい! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年6月10日 0時