大阪への旅 ページ15
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隼と裕太くんと食事をしてから、大阪城ホールへと向かった。
隼「は?!言ってないの?!」
裕太「おん。秘密にしといた方が面白いかなーって。」
隼「いや、そうだけど…そうなんだけどさ…」
どうやら裕太くんは私が一緒にいることをランペ の誰にも伝えずにきたようで、どんな反応をされるのかと思うと、妙に緊張してしまう。
隼「…ほら!Aめっちゃ緊張してるから!!裕太くんのせいだから!!」
裕太「Aの方が先輩やねんから、ドーンとしとったらええねん!」
バシッと裕太くんに背中を叩かれると、背筋が伸びる。
会場が暗転すると同時に、関係者席へスルリと入り込み、裕太くんと隼に挟まれるように座る。
映像を見ながら、ドキドキと胸が高鳴り。
サイレンのような音が鳴り響くとともに、光に照らされて花道に並ぶ16人の中で、1番に彼を見つける。
そこから、ずっと目が離せなくて。
裕太「やばー。めっちゃかっこいい。」
隼「ねー!迫力ハンパないわ。」
両隣から交わされる言葉に、反応もできない。
こちらに気付いて、ニコニコとファンサービスを飛ばしてくるランペのメンバーもいる中で、樹が、目の前に立つ。
バッチリと目が合った後、一瞬。
ほんの一瞬だけ驚いた表情を見せたけど、すぐにいつも通りに戻って。
去り際に、もう一度目が合った瞬間に、ニヤリと微笑まれる。
隼「くそー!やっぱいっちゃんはクールだわー(笑)」
『…はやと…』
隼「ん?って…え?!何?なんで泣く?!」
メインステージへと向かう彼を目で追いながら、隼を呼ぶ。
『…どうしよう…私…』
ポロポロと涙が溢れて、止まらなくなる。
隼「…自分の気持ち、気付いた?」
ライトに照らされながら。
歓声を浴びながら。
ニコニコと笑顔を見せながら。
キラキラと踊り、輝く、その人。
裕太「…昔とおんなじ。Aの前では一層張り切って踊る。」
隼「それがイキイキしてて、カッコいいんだよなぁ。」
近くの席のファンの子たちに気付かれ始めて、ニコニコとしながらも、言葉を交わす2人に隠れるように身を潜める。
『…自惚れて、いいのかな…』
溢した言葉に、裕太くんが吹き出して笑う。
裕太「何を今更(笑)」
『あっちこっち、フラフラして…軽い奴って思われない?』
裕太「それはちょっと思うけど…」
ポン、と頭を撫でながら。
裕太「…樹が、最後のヒトならええんちゃう?」
優しく笑う裕太くんに、また涙が溢れる。
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usa(プロフ) - 突然のコメント、失礼いたします。つい先日この作品に辿り着き、とってもハマって何度も読み返しています!続きのパスワードについて、私も教えていただきたいです!引き続き、更新を心待ちにしております! (2020年10月11日 23時) (レス) id: a03a04a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
sui(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっとこの作品が好きで、何度も見返しています。続きの2のパスワードは教えてもらえないでしょうか…? (2020年10月6日 11時) (レス) id: 2efd24e246 (このIDを非表示/違反報告)
冬 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 メンバーさんそれぞれの台詞の時行間隔あけて はどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年5月1日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆんさん» もう、リアルいっちゃん見るたびに早くイチャイチャさせたくて仕方なくなります(笑)あのビジュアルで、お前しか考えられないとか言われたら…もうぶっ倒れもんですよね…! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - みなさん» 絶賛作成中です!ひと段落ついたらパス外しますので、しばらくお待ち下さい! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年6月10日 0時