僕の推してるお天気お姉さん【まふまふ】

宝物 ページ22

まふまふside



ついに来てしまった…。


当日が…。




リスナーさんこんな気持ちでライブの当落発表受けてるんだ。




緊張しかない。



まぁ、楽しみって気持ちもありありだけど。




＊＊駅で冬の北風に凍えながらAちゃんを待っていると



とんとんと肩を叩かれた気配的にわかっていた。




ま「Aさん？」




『えっ？見てないのに何でわかったんですか？』




ファンの勘ってやつですよ！((




と言ったら引かれると思ったから






ま「何となくです。」



って言っておいた。



短めのコートに、厚手のスカート＋タイツ。






カジュアルめの格好だけど清潔さがあって。




プライベートでもオシャレなんだなと実感する。





『私、行きたいとこがあるんです！』






何て言い、僕の手を紫色の手袋でぎゅっと掴んで




人混みの中を周りの視線も気にせず走り出した。





そしてやっと立ち止まったのはショッピングモールの前。




『あっ、ごめんなさいっ！えと大丈夫ですか？』





お陰様で息も荒く、しかも握られていた手を意識しちゃってどっちにしろいろんな意味で顔が熱い。




入り口からすぐのところの雑貨店のストラップを見て目を輝かせているAさん。





それを１つ手にとってレジに向かった彼女。




そして暫くすると周りにお花が咲いて見えるほどににこにこしながら戻ってくる。



『どうぞっ！』



なんて言って渡された白色で半分ハートのパズルピースストラップ。




ま「えっ？」




『えへへっお揃いですねっ！』





なんて微笑みながら手の中のもう半分ハートのストラップを見せる彼女。




『これ、ニコイチなんですよ！』



カチッと鳴らして彼女はパズルピースをくっつけると綺麗なハート型へと変わる。




これはきっと一生の宝物になると思う。




嬉しさで言葉が出ない。



だけど、ただ一回きり出た言葉は





ま「ありがとう。」






『い、いえいえっ！』




なんて言ってそっぽを向く。




恥ずかしくなってお互い視線を逸らした。





僕なりに一生懸命話題を探そうとショッピングモールを見回す。




クリスマスムードでカップルがそこらじゅうに歩いている。




その中でただ1人呆れるほど見覚えのある人を見つけました。





そ「あれっ？真冬。…とAちゃん？」





『あっ、彼方さん。こんにちは！』




なんで。




神様はこんなに意地悪をしたがるんですか？

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