【忍たま】スノードロップ (ページ42)

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42話ページ42

崖、という言葉に思わずヒヤリとする。

「とにかく探しに行くぞ！」

普段なら小平太が探しに行っていたんだろう、その小平太は今やこの子たちにとっては恐怖の対象。

無論、私もなんだけれど。

滝夜叉丸が唇を噛んだ。

一瞬の間、遠くで草をいじっている小平太に目を向けて。

「出来るだけお前達も離れるなよ」

すぐに『先輩』の顔に戻って、私にも同じように笑いかける。

「Aさんも行きましょう。指示は出しますから私の前へ」

誘導されるがままに電車のロープの先頭にたった。

…先輩にも後輩にも近づけさせない、ということか。

って、考えすぎなのかな。

というか、三之助が居ないのなら電車になる必要はないのでは？

疑問は色々感じるけれどとりあえず指示通りに進んでいく。

「この辺りで次屋先輩を見失ったんだなぁ」

四郎兵衛の声で立ち止まる。

草が生い茂っていて探すのは大変そう。

そして、すぐ近くに急な崖。

滝夜叉丸の指示を聞こうと振り返ると

見たことないくらい追い詰められた顔があった。

「滝夜叉丸。」

名前を呼ぶとすぐにハッとしてまたいつもの顔に。

「…ここからは探すの大変そうだし、騒ぐとクマとかイノシシが来ちゃうかもしれないから手分けして探さない？」

滝夜叉丸が話しだす前に私は提案した。

「金吾と四郎兵衛は2人で、崖に近くない草の中とかを探して…それでいい？」

3人が頷くのをみて、私は崖の方に向かった。