【忍たま】スノードロップ (ページ30)

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30話ページ30

こんなに忙しい朝は初めてかもしれない。

6年生の威圧から解放された次は

事務員の小松田さんから謎の緊張感に包まれて説明を受けていた。

「…じゃあ、とりあえず校門の掃除から始めましょうか…」

びくびく怯える小松田さんに私は苦笑いで返すことしか出来ない。

無言のまま箒を動かし続けていると

ちらちらと小松田さんが私を見ていた。

「…どうかしましたか？」

「へぁっ！えっと…Aさん、は掃除好きなんですか？」

声をかけただけでこの驚きよう…笑

「え？…まぁ、普通です」

掃除して綺麗になった時の達成感は結構好きだけど、やっぱりめんどくい気持ちがある。

「僕は好きな方かなぁ、失敗すること少ないですし。
書類の整理とかだと絶対ミスしちゃって吉野先生におこられちゃって…｣

小松田さんはそう言って少し笑ってみせた。

「じゃあこれからは怒られないように一緒に頑張りましょうね」

なんとなく、小松田さんは大丈夫な気がして私は笑顔になった。

一瞬ハッとした顔をして、小さく頷く。

「…うん！」

いつの間にか取れた敬語がぎこちないタメ口になって

それが私を少し安心させた。

変な気づかいとか詮索とかで息詰まりそうだったから
忍者じゃないおばちゃんや小松田くんは安心できる。