【忍たま】スノードロップ (ページ21)

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21話ページ21

《鉢屋三郎》

「三郎、どう思う？」

天女を部屋に送り届けた後、少し様子を伺ってから私達は先生長屋へと向かった。

「…そりゃ前までの天女とは違う気がしてるけど…天女は天女だ。」

気配を完全に消したら大丈夫だったけど

少し気配を出すと私たちの存在にきづいた。

勘がいいと言えばそれまでだが…。

何かに守られているような、むしろ私たちを助けてくれるような。

不思議なオーラがあった。

「失礼します、鉢屋三郎と不破雷蔵です」

先生方、6年生、5年生が輪になって座っていた。

「天女の様子は？」

「はい、私たちといる時は平静を保っていましたが、部屋に入ると泣いていました。」

私が見た事をそのまま伝えると、先生は顔を顰める。

「…泣いていた？」

「ええ、…とても嬉しそうには見えませんでした」

雷蔵が言う通り、天女は私たちに会えたことをとても喜んでいたのにあいつは違った。

「僕が治療した時も、ずっと悲しそうでした。それに甘い香りがしなかった。」

伊作先輩がただ、と話を続ける。

「既に何人かの生徒と接触しているのを見かけましたが、直ぐに心を開かせていました。」

「なに、それは妖術ということか？」

「妖術、というよりは…あまりにも人当たりが良すぎるという方がしっくり来ます。」

勘右衛門と兵助がその言葉を聞いて、頷いた。

「確かに、物腰が低いというか控えめというか。」

「思ってることが全部顔に出ていて、鎌をかけてみても特になにも感じませんでした」

これだけ聞くといい人にしか聞こえない

益々おかしい。

「とにかく、今後の動きを見よう」

先生がそう言うと6年生が立ち上がる

「そんな、何かが起こってからでは！早いうちに天に返したほうがいいのでは？」

「…あぁ、だから後輩には指一本触れされるな」

「「はっ」」

そうして会議は終わった。