お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.009 ページ10

▼Ichigo side





『もう知ってはいると思うけど、私達同じクラスだからこれからよろしくね』
「うん！」



不思議、Aちゃんと同じクラスだと思うと今までの不安が全て吹き飛ぶように心が楽になっていく。そして、この目の前にあるドアを開ければ、クラスの人が教室の中にいる。

大丈夫よ、いちご。貴方は今までに何度も恥ずかしいことなんて経験してきたじゃない。家でも学校でも何度階段で転げ落ちたか...。




『どうしたの？いちごちゃん。教室入らないの？』
「い、いやー、ちょっと緊張しちゃって」
『大丈夫、うちのクラスはみんな良い人だから、すぐに馴染めるよ。だから頑張って』



あたしが不安がっているのが顔に出ていたのか、私の手を両手で包み込んで励ましてくれるAちゃん。そんな彼女の優しさに胸が暖かくなって、目からじんわりと涙が出てきそうになる。

あたしはアンリ先生のお陰で聖マリーに行きたいと思って、ママのお陰でパパを説得してこの学園に来れて、Aちゃんにも出会えた。


今は、パティシエールになるって言う素敵な夢を見つけて、それを叶えるためにここに来たんだ。



「ありがとう、Aちゃん。あたし、頑張るね！」
『うん、頑張って！！』



破裂しそうなくらい動く心臓を無視して、ドアを開ける。



「転入生の天野いちごです。よろしくお願いします！！」




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