お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.007 ページ8

▼Your side






「挨拶よりさっさと退いてくれ。通れない」
「ごめんね、無愛想な奴でさ」



樫野の無愛想な態度に幼馴染でもある安藤がいちごちゃんに謝っていた。やはり、樫野は少し怒っているようだ。入学した頃から短気なのは変わらないなと昔を思い出した。

いちごちゃんの頬がプクーと膨らんで眉毛も上に上がっていて、その顔だけで彼女も樫野と同様に少しだけ怒っていることが分かる。

でも、これが樫野の通常運転だから気にしないでと何気に酷いことを言おうとした瞬間、安藤がいちごちゃんの口の中に何かを入れた。



「僕が作った抹茶キャラメルだよ。よろしく、天野さん」
「僕らも行こう」



いちごちゃんの樫野への怒りは、安藤の抹茶キャラメルによって収まったみたい。でもまさか、いちごちゃんが学園に転校してくる生徒だったなんて...未だに信じられない。



「Aちゃん、口開けて」
『え？...っん！これ、さっきいちごちゃんにあげてた抹茶キャラメル...』
「うん、そうだよ。上手く作れたんだ、良かったら後で感想聞かせて」



凄く美味しい！！！甘味のあるキャラメルに少し苦味のある抹茶が合わさって、甘過ぎなくスっと口の中で溶けてゆく。流石安藤の得意分野と言ったところだろうか。

抹茶キャラメルによって、私の顔はニヤニヤとふやけまくり、あまりの美味しさに私の気分は最高潮にまで上がるのであった。




後で紙にこの感想を紙に書いて安藤に渡して、抹茶キャラメルを絶賛してあげなくちゃ！



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