お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.006 ページ7

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あの日から数週間が経った今日。私はいつものように聖マリー学園で授業を受け、今は樫野が作ったチョコレート細工を安藤と一緒に運んでいた。

1つだけ変わったことがあるとするならば、それはアンリ先生先生が推薦した人がこの学園に転校してくるくらいだろうか。それはそれで十分大きな出来事なのだろうが、いちごちゃんと出会ったあの日が私にとっては転校生のことよりも衝撃的で...。


もう一度、あの子とお話したい、欲を言えば今日来る転校生だっていちごちゃんだったらな...なんてどう願っても無理なことを考えちゃってしまっている。

ケーキが大好きな女の子なんてこの世の中いくらだっているし、それにアンリ先生が推薦してくるほどだから転校生には何か凄い才能があると思う。私の勝手な欲は叶うことはない。もし叶ったらそれは奇跡なのかもしれない。




「えーーー？！Aちゃん？！」
『え？』



もの凄い音量で名前を叫ば(呼ば)れ反応に困る。でも、その声はなんだか聞き覚えがあって。少し期待を抱きながら、声のする方へ顔を向ける。



『い、いちごちゃん！！』



目の前にいるいちごちゃんは聖マリー学園の制服を着ている。ということは、アンリ先生からの推薦でこの学園に転校してきたのがいちごちゃん？！

まさか本当に願いが叶ってしまうなんて、奇跡が起こってしまったということなのだろうか。



「Aちゃん、君いちごさんと知り合いだったのかい？」
『うん、この間スイーツフェスタに行った時に会ったの』



――「そーゆうのはどうでもいい。邪魔なんだけど」



私の後ろでチョコレート細工を持った樫野がそう言った。



「うわー！！凄い、それチョコレート細工、チョコレート細工でしょ？！」



樫野の言葉が聞こえておらず、チョコレート細工に夢中になるいちごちゃん。その後に、樫野と安藤と私の紹介をしてくれる花房。それはありがたいんだけど、早く退けないと樫野が怒っちゃいそうな...。



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