お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

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樫野が安藤と幼馴染で、百絵ちゃんから「マーボーにいたん」と呼ばれていることをいちごちゃんが知った後、安藤の弟の一太くんがやってきた。



「おい、ケーキ豚！」
「あーらー、弟の一太くんよね〜？誰かなあ？ケーキ豚って！あたし、天野いちご。いちごお姉さんよー、豚じゃないから！！豚じゃ」
『まあまあ、いちごちゃん落ち着いて』



一太くんから「ケーキ豚」とお世辞にも可愛いとは思えないあだ名で呼ばれ、ムキになるいちごちゃん。そんないちごちゃんに一太くんは、



「聞いたぞ、マーボーから。お前ケーキのバカ食いが得意なんだってな！だからお前はケーキ豚だ！」
「なんですってー？！せめて大食いクイーンと呼びなさーい！」




大食い大会で取ったものである金メダルを一太くんの目の前に突き出すいちごちゃん。彼女の大食いっぷりはしっていたが、優勝するほどの胃袋の持ち主だったとは知らず、「おお」と驚きの声を上げた。

でも、そのメダル攻撃も一太くんには１mmも効果がなく、



「なんだそれ。ケーキ豚はケーキ豚だー」
『一太くん、人にあだ名を付けることが悪いわけじゃないけど、お姉さんに向かって豚なんてあだ名つけちゃだめでしょ』
「大食いなのに豚ってつけて何が悪いんだよ!俺、聞いたんだからな。A姉はケーキ豚より大食いだって。今度から大食い馬って呼んでやる！」



私の言った言葉が一太くんに伝わって、ケーキ豚なんてあだ名使わないようになってくれればと思い言ったけれど、それは逆効果のようで私にも「大食い馬」となんとも言えないあだ名を付けられてしまった。

私もそんなあだ名で呼ばれていい気はしない。いちごちゃんと同じように「なんですって？！」と言っていた。



「ここは和菓子屋だ。ケーキ屋になりたい奴らに用はないんだよ、とっとと帰れ！」
「どうしてそんなこと言うの？一太くんのお兄さんだってパティシエ目指してるじゃない」
「に、兄ちゃんは...」



あんなに威勢が良かった一太くんがしょんぼりと落ち込んで声もボソボソと小さくなっていく。



「何やってるんだ？こんなところで」
『安藤...』
「まあいいや、ちょっと休憩しよう。一太もおいで。お土産のケーキもあるぞ」

「俺は、ケーキなんて大っ嫌いだ！！」
「一太！」



走ってどこかに行ってしまった一太くん。

ケーキを嫌ったり、パティシエやパティシールになりたい人達を嫌うのは何故なんだろうか。




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