お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.024 ページ25

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実習服に着替え、飴屋先生の前に集まり、授業開始のチャイムが鳴ると今日作る予定のシュークリームの説明が始まった。

隣にいるいちごちゃんをチラッと盗み見ていると、先生の話に集中はしていない様子。このままだと、また何か失敗をしてしまわないか心配になる。

でも、昼休みに叩き込めるだけの知識は教えたつもりだし、前と同じように樫野に怒られないといいんだけれど...。



「では、調理を始めてください」



材料を用意して、シューの生地から各自で作り始めていく。いちごちゃんはスイーツ王子にアドバイスを貰いながらもなんとか進めて行くことが出来ている。

オーブンの余熱からバターの溶かし方...やっぱり予習が足りなかったかな？と、いちごちゃんを見ながらどんどん不安になっていく。



『いちごちゃん、焦らなくても良いからね。冷静に』
「う、うん。れ、冷静に...」



息を呑む音が聞こえてきた。それと同時にオーブンから焼けたシューのいい匂いが鼻をくすぐってくる。



『いい匂いだねー、早く食べたい』
「うんうん！！あ、もう美味しそうに焼けてるよ！」
『え、いちごちゃん？』



いちごちゃんが向かった方向に振り向くと、そこには既にミトンを身に着けてオーブンを開けようとしているいちごちゃんがいた。



『「「ダメーーーーーー！！！」」』



いちごちゃん以外のAグループ4人の声が重なり合った。私はというと、折角のシューを無駄にしない為頭が動くよりも先に体が動いてしまっていた。

オーブンを素手で閉めようとした馬鹿な私。そんなの無謀だって分かりきっていた事だったけど、その時の私にはそんなことこれっぽっちも考えることが出来なくて。

気付けば私の手は下手すれば大火傷してしまうくらいオーブンに近付いてしまっていた。









「佐原っ！！！！！」





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