お菓子は皆を笑顔にする魔法。【 夢色パティシエール】

▼sweet.011 ページ12

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『いちごちゃん、早くしないと授業に遅れちゃうよ？』
「あ、うん！」



やっぱり、普通の学校から転校してきたいちごちゃんには聖マリーにある全てのものが新鮮らしく、実習の制服を着るのにも一苦労、今も調理室を見て元々大きい瞳をさらに見開いて驚いている。



「では、天野さんにはAグループに入ってもらいましょう」
「ええ？！あたしが？！」
「いちごちゃん凄いやん！！Aグループはスイーツ王子と高嶺の花と一緒、成績トップのグループやで？」



飴屋先生の言葉にクラス中がざわつき始める。確かに、転校してきて早々Aグループはみんな驚いてしまうだろう。だが、中にはアンリ先生の推薦だからと納得している者もいるみたいだ。

アンリ先生は何か考えがあっていちごちゃんをこの学園に推薦したはず。だから、私はこの結果になんの不満もない。私はただ、アンリ先生といちごちゃんを信じるまでだ。



「スイーツ王子と高嶺の花と同じグループなんて信じられない！！」
「アンリ先生の推薦だから、きっと凄い腕前なのよ」
「てか、悔しー！！スイーツ王子といつも一緒にいられるなんて」



中には、良くないことを思っている人もいるみたい。



「うわー、あの樫野と一緒かー」

『え？』
「Aちゃん、どうかした？」



さっき、遠くから声がしたような気がするような。それはまるでスイーツスピリッツよのうな...。でも、このことを言うと周りに不審がられるため、心配して話しかけてくれたであろう花房には「ううん、なんでもない」と言っておいた。



もしかしたら今後、いちごちゃんも...。




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