計画準備 ページ8
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少年に衝撃の事実を聞いた私は、その日の内に１軒１軒民家の戸を叩き、数少ない村人１人１人に声を掛けた。
村人全員に、ある頼み事をする為に。
子「Aさん、本当にええの？総統閣下に嘘吐く事になるんやけど......」
『もしバレた時は、私に脅されたと言えば良い。各々家族を人質にとられ、逆らえなかったと』
子「でもそしたら、Aさんが捕まってまうで？
拷問とか、処刑とかになったりしたら.....！」
最後の確認として、私を除いて村唯一の子供である少年を家に招き入れた。
しかし、先程からこのように何度も何度も同じ事を聞いてくる。
やはり、16歳の子供には難しかったかもしれないな。
『私なら大丈夫だ。
......痛い事も死ぬ事も、怖くはない』
子「え？」
『あぁ、気にしないでくれ。
最後の確認だ。総統閣下が来る明日１日、私は「エリザベス」という名の、何の変哲も無い村娘になる。「A」について聞かれたら、何も知らないと答えてくれ。
それだけだ。出来るか？』
子「う、うん。分かった」
最初は村人全員が戸惑い、総統に虚言を吐く事を躊躇ったが、土下座を何度も繰り返すと、渋々承諾してくれた。理由も聞かずに。
わがままで迷惑な行為だというのは分かっている。
だが、もし総統閣下達が転生者だとして、私を見つけてしまったら........
間違いなく、私は殺されるだろう。
彼等は私の事を憎んでいるから。
死ぬのは怖くない。１度経験したが、恐怖も痛みも感じなかった。死ぬのは怖くないのだ。
拷問も、父上からの「躾」で慣れてしまっている。
けれど、彼等の手によって死ぬわけにはいかない。
彼等は今世も、この国の中枢として、顔として、役目を果たさなければならない。
そんな彼等が、たった１人の無実の村娘を拷問、又は処刑したとしたら、世論は一体どうなるだろうか。
私は、２度も彼等の足枷になりたくはないのだ。
『ありがとう。
この恩は、総統閣下が帰った後に返させてもらう』
子「え、ええよそんなん！
それじゃ、俺そろそろ帰るわ！
......明日、Aさんもバレへんように気を付けてな」
『ああ』
この村の人達には、本当に感謝してもしきれない。
少年はああ言ってくれたが、いつか必ずこの大恩を返そう。
そう心に決め、明日の為の準備に取り掛かった。
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とうみん(プロフ) - あなたの作品は情景描写がとても綺麗で、つい作品の世界観にのめり込んでしまいました。有名な小説家にも文才などありません。何度も何度も書き直してやっと傑作が生まれるのです。偉そうなことを言ってすみません。とてもおもしろかったです。ありがとうございました。 (9月3日 18時) (
レス) @page36 id: a126db2d2e (このIDを非表示/違反報告)
るる - 読んでいてとても面白かったですよありがとうございます (2022年12月25日 16時) (レス) @page36 id: a2a90b5064 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - またいつか、続きを書く気持ちが湧いたならどれだけ時が経っていようとも、遠慮せず作品をまた更新してください。どうか、貴方様の作品を心の底から待っている人がいることを忘れないでください。本当にありがとうございました。コメント2つもしてすいません！ (2022年8月17日 12時) (レス) id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 打ち切りの言葉にはショックを受けましたが、読んでいるだけの私には分からない作者様だけの事情もあると理解しました。面白く、読みがいのある作品をどうもありがとうございました。 (2022年8月17日 12時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
Ajisaaaai(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました (2020年12月3日 8時) (レス) id: 4585525dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2019年10月26日 16時
