鬼殺隊癒しの春柱【鬼滅の刃】

第7幕 本当の優しさ ページ8

伊黒 小芭内 side




『伊黒さんの蛇さんの名前ってなんですか？』



突然Aはそんなことを聞いてきた



伊「あぁ…鏑丸だ。」



『ほえー鏑丸ですかっ！難しいですね〜！』




そう言って俺の首に巻かれる鏑丸の頭を撫でた



本来なら蛇は怯えられ、気味悪がられるのだが
…Aは違うようだ



微笑みながら優しく頭を撫でるAに少し和んでいると鏑丸が俺の首元から離れAの頬に擦り寄った




『わっ！！』




伊「…珍しいな。鏑丸が俺以外に懐くなんて…。」




『そうなんですかっ！じゃあ、私は鏑丸さんに認められたのかな〜！』




そう呟きながらも鏑丸はAの首元に巻き付く



本当にこんなことありえないのだが…




Aが嘘をつかない いい奴だと分かっているからだろうか



動物は正直だ



俺は人を信用出来ない


でもAは信じてもいい そう思っている



鏑丸もそう思っているという事だろうか



Aは信じても良い




そう言っているのだろうか




伊「…怖くないのかお前は。」



『…？何がですかっ？』



キョトンとした顔で俺を見つめる



相変わらず鏑丸の頭を撫でたりしながら




伊「鏑丸の事も、俺の事も。俺は昔からこの瞳のせいで気味悪がられた。」




するとAは一瞬驚いたような顔をして
すぐにふわっと微笑んだ




『怖くないですよ。白蛇は神様の使いと言いますからね〜！！はいっ！鏑丸さん！そろそろ、小芭内さんの元にお戻り〜！！』




そう言って俺の首元に鏑丸を這わせてきた




『それに小芭内さんが怖いなんて思わないですよ？その瞳もすっごく綺麗です！！何より、鏑丸さんが懐いてるのが小芭内さんの心が綺麗な証拠です！！！』




そう笑ってくれる




伊「そうか…お前は、良い奴だな。よし、稽古を付けてやろう。」




『わっ！！いいんですかっ！！じゃあ、蜜璃さんも呼びましょう〜！』




伊「っ！お前、知っているのか…。」




『ふふっ！どうでしょうね〜！』




そう言ってはぐらかす




今日。



皆がお前の周りに集まる意味が分かった




お前は本当に心から優しい奴なんだな。

第8幕 責務→←第6幕 笛の音

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す