四季紡ぎ。

白い雪、紅い雪【凍乃　水月】 ページ6

「夏班班長、早川綾音からのお知らせでーす。これより、『初雪奪還戦』を行います。手の空いている四季紡ぎは今すぐ出動するよーに。これは私たちの初陣です。間違っても国民の皆様に死に体は晒さないでね。前線に出る者、後方支援をする者は転移所へ。それ以外は本部へ集合せよー！ 以上で放送を終わります。ご武運をー」
班長の声が遠くから聞こえる。

…えっ
「奪還戦…！？」
バッと後ろを向く。
「しまったあああああああ！？」
さっき転移所通り過ぎた！ということは転移所遠いのでは…

「あぁ…記念すべき(？)初戦なのに…」
遅刻しないように急いで走る。
途中でポシェットの中にある瓶の水を補給する。これがないと戦えないからな…

たしか、あれは７歳のころだったか…
【季節】が消えたのは。

「って、ぼーっとしてる場合じゃない！」
またボクは駆け出す。
っていうか、水を入れてる間に他の人に先に行かれた気がする…

「み、見えてきた…」
転移所だ！あとちょっとで着く！

「遅れました！」

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