【Free!】待ち人

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「本当にすまなかった！」


どうしてこうなったのか誰か説明して欲しい。


私の足元には逆さまになったお弁当箱

そして、その先にはこちらに土下座をする名前も知らない先輩


『あの…大丈夫です』


大丈夫だから早く土下座をやめて欲しい。
てか、逃げていいかな。


そう思って立ち上がろうとした時、ゆっくりと頭を上げた先輩。



夏「そうだ、お詫びにこれ食ってくれ。購買ので悪いな」



手に持っていた袋をガサガサと探ったと思えば、購買のパンをひとつ取り出して私に差し出してきた。


『本当に大丈夫なんで、』


断ろうとしたが「いいから」と膝の上に置かれてしまった。
そして、私のひっくり返ったお弁当を片付け始める。
私も慌てて片付けようと思ったのに、片手で制されてしまった。


_____…



「遠慮しないで食えよ。あ、他のやつがいいか？それともこっちの弁当にするか？」


あれから何故か先輩は私の隣に座り、お弁当を広げだした。



離れようにも空気的にその場から離れられず、私はその先輩の問に首を横に振って、仕方なく貰ったパンの袋を開けた。


『…いただきます』


「おう。いや、本当に悪かったな」


『大丈夫です。あの、どうしてここで…』


今までここでご飯を食べている人を見たことがない。だからこそ私はここを選んでいたのに。
だから、この先輩が隣に座った時は本当に驚いた。



「なんでいつも1人で食べてるのか気になったから」



その言葉にまた驚いた。
それは、私が1人で食べているのを知っていてわざわざここに来たと言っているようにしか聞こえなかったから。


「俺は桐嶋夏也だ。君は？」

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