「ダメだろ!アウトだろ!」 ページ8
この姉弟の距離感はどうなっているのだろうかと傑は思った。
あの後硝子も誘ったのだが、そこまで甘いものは得意じゃないということで断られた。
そのため3人で、高専まで呼んだタクシーで目的の店近くまで移動した。
料金を傑が支払おうと思った時にはAが全額支払っていた。それに申し訳ないと思ったが、今はそんな考え吹き飛ぶほど衝撃的な2人の姿が視界に入っているのだ。
傑からほんの数メートル前を歩く五条姉弟は、まるでカップルかのように腕を組んで歩いている。
道行く人々も2人の整った顔に男女問わず見とれており、完全に傑は邪魔者ではないかと思うほど。
もう少し距離を開けて歩こうかと考えた時、Aが足を止めてこちらを振り向いたので、突然のことに傑は驚いた。
Aが足を止めたことで、自然と悟の足も止まり同じようにこちらを振り向くが、彼の表情は「なに立ち止まってんだよ」と不機嫌そうである。
『ごめんね、私たち歩くの早かった?』
傑「そんなことないですけど…」
邪魔になると思ってとは言えず、口籠もる傑にAは小首を傾げた。
『あ、傑くんも手繋ぐ?』
悟「まてまてまて」
傑の方に手を差し出したAの手を、悟が慌てて掴んで止めた。
悟「なんでそうなる?」
『だって傑くんはぐれちゃいそうなんだもん』
悟「だからって2人の男と手繋ぐ女はヤバいだろ」
『なんで?姉弟に見えるでしょ?』
悟「見えねぇよ」
2人の会話に苦笑した傑は「はぐれないから大丈夫です」と伝える。続けて「2人とも目立つから」とは言えない。
『いーからいーから』
傑「ちょ、」
何がいーからなのか分からないが、悟と組んでいた腕を離したAが傑に近づいて彼の手を取る。
そしてその手を引っ張って悟の元まで戻れば、またさっきと同じように腕を組み直した。
『人多いからはぐれないようにねー』
左手を自分よりも小さな女性の手に握られ、ドキドキしない男はいないだろう。
それでも振りほどくことなんてできるはずはなく、傑は恐る恐るAの手を握り返す。
悟「ダメだろ!アウトだろ!」
隣で文句を言っている悟に、「何がアウトなのよ」とまだ理解できていない表情を向けるA。
『じゃあ悟が傑くんと手繋いであげて?』
悟「それこそアウトだろ!!!」
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面白い - 好きぃぃぃぃぃぃぃぃです!素敵な作品をありがとうございます♡ (7月30日 10時) (レス) @page25 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - ほぅわはぁ〜(?)……好きです。完結ですか!? (2022年4月23日 21時) (レス) @page26 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 夢主クセ強 www (2022年3月14日 23時) (レス) @page26 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - なんだこれ最高かよ、、、、、、 (2021年7月29日 6時) (レス) id: 324728c5bd (このIDを非表示/違反報告)
うさ - うおおおおここで終わりですかァァァ (2021年7月18日 7時) (レス) id: c396716e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年1月10日 1時