【呪術廻戦】生意気な後輩が入学してきたのだが【男主】

「じゅがい？」 ページ18

『何それ』


A達1年の担任が手に持っているのは、両手にボクシンググローブを付けたクマのぬいぐるみ。
それを差し出しながら担任はAの質問に答えた。


「夜蛾先生から借りた呪骸だ」


『じゅがい？』


何それ？と眉を寄せ目を細めるAに、担任は授業で説明しただろうという表情を浮かべる。
そしてため息をついてからAの隣にいる七海へと視線を移した。


七「…内側に呪いを宿した自立可能な無生物です」


「その通りだ」


『そんな話したっけか』


「頼むからもう少し真面目に授業受けてくれ」



とりあえず持てと手渡され、その呪骸を手に持つA。
そして眠ったままのその呪骸を見て、片眉を上げた。


『何もおこんねぇけ、どっ！？』


話していた途中で、突然左頬を呪骸に殴られAの顔は逆らうことができず右を向く。


『…あ？』


Aの手から離れ床に下りた呪骸は、その場に座り眠そうに欠伸をしている。

低い声を出し、睨みながらそれに近付いたAは呪骸の頭を片手で掴むと、開いていた教室の窓から外に全力で投げ捨てた。


「おまっ、借り物だって言っただろ！？」


担任はそう言いながら慌てて教室を飛び出し、呪骸を拾いに行った。



七「…馬鹿ですか」


『いきなり殴られたら誰だってあーするっしょ』


七「百歩譲って投げるとしても、外には投げません」


このままAを自由にどこかへ行かせると怒られる可能性があるため、とりあえず担任が戻ってくるまでは見張っていようと七海は思った。

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