もう、遅いんだよ。【歌い手】

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Aside







『どういうことですかこれは........』


『みんな違うの！！』







ロッカーから溢れ出た財布がぽたぽたと零れ落ちていく。その光景を目の当たりにしたまふを初め歌い手のみんなは動きを止めた。







『それ、俺の財布･･･』


『俺の腕時計もあるやん！？』


『A……どういうこと』







みんなの視線が冷たく氷みたいに私に向けられた。みんな信じられないような顔をしていた。でも、まふだけが心配そうな表情をしていた。







『私じゃない！！』








皆の顔が怖くて見えない。







『でも、Aのロッカーには確かに今も俺たちの貴重品があるんやぞ。それが何よりの証拠やろ。ロッカーは鍵がかかってて本人が持ってないと開けられないロッカーなんやから。』


『それだったら、私がどうやって皆の財布を盗むことができるんですかさかたん……？』


『それは...。』







私だって知らない間に罪を擦り付けられ、挙句の果てに信用もされないこの状況に今までにない怒りがあった。







『私は違いますからね！ 知らない間にこうなってたんですよ！ まふなら分かってくれますよね？だって今日ずっと一緒に居たんだから。』







今日はずっと行く時以外は一緒に行動していた。だから、証人にもなってくれるはず!! そんな期待と裏腹にまふは険しい顔をしていた。なんでそんなに顔するの？まふは信じてくれるよね？








『分かりません...。』









嘘でしょ...。








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