もう、大丈夫だよ｡【歌い手】２

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そらるside





まふまふの話を聞いているとホッと安堵してため息が出る。俺が考えた計画でAを巻き込んで追い詰めたことに責任を感じて、最終的には俺が居なければこんな大事にはならなかったんじゃないかって。






最近、よく思っていた。






だから、今回の記憶喪失は悲しいんじゃなくて逆に安心した。俺達の楽しかった思い出が消えるのは涙を流すよりも辛いもの。ましてや、記憶は戻らないと宣言したのだから都合がいい。なんだか、俺の顔が晴れたような感じがした。






まだ、充分に動けないAは自動車椅子を使って、俺らがいる休憩場に来た。







『みんなー、何話してるの？』




『何でもないよ！それより、まだ動いちゃダメだよ！』







まふまふが車椅子に手をかけAを病室に引き戻した。今の話を聞かれなくて良かったって思った。聞いてしまったら悲しませてしまうし、また辛い思いをさせてしまうと感じた。もうすぐ、7月が来て暑さが倍増し晴れが続く。そんな、晴れが続くように俺の心もスッキリと快晴な空みたいに何一つ、困り事はしたくは無い。







もう、誰も悲しませたくないんだ






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