#35. ページ35
『はよ帰れ金髪〜』
「スーパーで会った仲やのに」
『それだけのペラい仲やぞはよ帰れ驚け俺に』
「いや、いやあの来た時はびっくりしたんやで
変な知らんやつ寝とる！？って」
『飯作ってんのにトイレの音するのも怖かったわはよ帰れ』
飯を食ってもなお、椅子に座って居座ろうとする金髪を引っ張る。
こいつ俺より背が高く動かない。
ヘッドロックして…と思ったが、力では負けそうだったしやめた、早く素直に帰ってもらいたい。
『はよ』
「えー、じゃあ大先生に言っといてくれへん？
コネシマが来たでーって」
『言っとくから』
「お、ありがと〜。
じゃあ俺帰るわ、明日また来るかもしれへん」
『はいはい』
サンダルを履いて外に出た金髪。
コネシマとかいう名前らしい、まーた珍しい。
大先生に言ったらショッピの耳に入るんかなぁ
ショッピの知らんとこで知り合いに会うて、そんで話すようになって。
ブチ切れの追放やったやろな。
『はー、鍵締めなアカンな』
一軒家は鍵は常に閉めるけど、マンションやらアパートになると少し気が緩んでしまう。
毎回戸締りを忘れてショッピの家にも人をあげるし、ここにもコネシマをあげたし。
ガチャン、と玄関を閉め台所に戻り肉じゃがの火を止める。
味見したけどめちゃくちゃ美味しい、これなら満足してくれるだろうと片付けてソファにまた座る。
昼飯とかどうでも良くなった、夜ガッツリ食べてやろう
『…』
昼の報道番組を見ながら思う。
帰りたい、ショッピの家に。
けどプライドがそれを許さない。そんなことの繰り返し
スマホは置いてきたし連絡手段も無い。
こんな所で1人報道番組を観るくらいなら、こんな幸せも娯楽も自由も知らなきゃ良かった。
大先生の友達が、ショッピの友達が訪ねてくる度に俺の存在意義を見いだせず、ここに居ていいのかと不安になってしまう。
『辛気くせ〜』
はっ、と笑いながら呟き、天井を眺める。
仕事先からは解雇され、親からも縁を切られ。
一旦、この話は思い出すのをやめようか。
なにか楽しいこと、思い出して自分を保とう。
あんなの思い出したら俺死んでまうわ。
『存在意義なぁ』
テレビの中のアイドルが、たまたま俺と同じ言葉を発する。
テレビに出れてる時点で俺とはちょっと境遇が違う。
同じなんだろうけどさ。
向こうにも、何かしらの理由はあるんだろうけど。
気分転換に外でも散歩しようかな。
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chara＊doll＿サブ(プロフ) - 宮さんのw.r.w.r.d.の作品が大好きです…💓 完結おめでとうございます！これからも応援してます！またいつか宮さんのd!の作品が見たいです…！✨🍀 (2021年11月12日 16時) (
レス) @page41 id: 8350102349 (このIDを非表示/違反報告)
Ok - ガチ泣きしてしまった (2021年11月8日 0時) (レス) @page38 id: f38258070c (このIDを非表示/違反報告)
つむ - 初めてですが、とってもおもしろかったですー。お身体に気をつけて、更新頑張ってください！ (2021年10月14日 14時) (レス) id: c4476d5627 (このIDを非表示/違反報告)
はくまい(プロフ) - 何某さんのd小説待ちわびてました〜！！！今回も凄い面白いです、ありがとうございます😭😭😭 (2021年10月13日 18時) (レス) @page5 id: 5573920f77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 x他1人 | 作成日時：2021年10月13日 18時
