検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:43,173 hit

#33. ページ33

『はー鬱』

「ん?」

『呼んでへんから』


翌朝、ソファから体を起こして第一声。
大先生は意外と朝早く起きていた。今日は仕事があるからなんだと。


「俺今日なるべく早く帰ってくるわ」

『ん、待ってんで』

「飯作っといてくれへん?」

『ええよー、出来ることあったらやるわ』


そう言ってスーツ姿になり、大先生は出ていった。
仕事なぁ、会社員かなんかかなぁ。

5、6000円ほどテーブルに置かれている。
置き手紙と共に

言えばよかったのに、なんて思いながら手紙を読むと

「晩飯の材料代」

とだけ。
まさかと思い冷蔵庫の中身を見てみると、案の定中身は空っぽ。
缶ビールが残り1本

あいつは正気か、これで生き延びようとしてたんか?
大先生の服にまた着替え、髪を適当に梳かし札を財布に入れ外へ出た。


昨日、敷地内とはいえ外に出たのに何故か新鮮な気分。
階段を下り、適当に歩道を歩くがこんなにこの辺りは人が多かったんだと俺は周りをキョロキョロと見回していた。


軟禁、ゾムも大先生もそう言ってて…俺はそんな事なんか思ってへんかった。
けど、こうやって外に出ると如何に他の人が自由な暮らしをしてるのかが分かる


俺軟禁されてたんやって、ようやく理解ができた。


少し歩くとスーパーが見えた
これが店…と少し感動しながら中へと入る。
ろくに買い物もした事ない、こんな買い物俺に出来るのかと不安になってしまう。


ビールは絶対、今日はなにしよう。


『…レシピ本買お』


晩飯を、とは言われたがレパートリーが少ない。
俺はまずレシピ本をカゴに入れ、その後に店を回る。

本をちらちら見ながら、今日は肉じゃがに決めた。
折角なら明日の分もと秋刀魚をカゴに入れた。
炊き込みご飯とか絶景美味いやろ、と入れて炊くだけの物も買う。


ここ最近はほんまに便利になったんやな、と店の中を見てて飽きない。

大先生のツマミを買うため、俺はそれっぽい所を眺めていた時。


『ぉ、』

「うわ、すません」


後ろからドンっとぶつかられ、少しよろけた。
振り返るとしまったというような顔をした金髪。


『ああいや、見てへんかった俺も悪いんで』

「後ろ向いてた俺も悪かったっすよ」


特徴的な声。
ハスキーがかっていると言うか、聞いたら忘れられへんような声。


その後少しだけ話をすると、用事があるんやった、と俺に頭を下げてその場を去っていった。
あの人サンダルやったな〜、なんて思いながら俺は他の食材を見て回った。

#34.→←#32. 〃 side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
155人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 男主 , 実況者
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

chara*doll_サブ(プロフ) - 宮さんのw.r.w.r.d.の作品が大好きです…💓 完結おめでとうございます!これからも応援してます!またいつか宮さんのd!の作品が見たいです…!✨🍀 (2021年11月12日 16時) (レス) @page41 id: 8350102349 (このIDを非表示/違反報告)
Ok - ガチ泣きしてしまった (2021年11月8日 0時) (レス) @page38 id: f38258070c (このIDを非表示/違反報告)
つむ - 初めてですが、とってもおもしろかったですー。お身体に気をつけて、更新頑張ってください! (2021年10月14日 14時) (レス) id: c4476d5627 (このIDを非表示/違反報告)
はくまい(プロフ) - 何某さんのd小説待ちわびてました〜!!!今回も凄い面白いです、ありがとうございます😭😭😭 (2021年10月13日 18時) (レス) @page5 id: 5573920f77 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: x他1人 | 作成日時:2021年10月13日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。