#夏3 ページ4
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目から醒めても魔法は解けていなかった。
「…おはよう」
「おっはよー!天元!!」
昨日、2人きりでどこかの建物の裏で寝た。
お互いに肩を寄せ合って。
まだそう暑くない空気を吸い込み、ぐぅと鳴った腹を見て次どうしようかと考える。
そういえば俺は無一文で着替えと歯ブラシとかは辛うじてあって……
「てってれー!!ちゅうもーく!」
彼女が荷物の中から取り出したのは財布。
「ここにお金がある!コンビニ弁当でも買お!」
「流石!天才!」
ナイスっと手を叩いた。まるであの青い狸のような効果音に笑いながら。
お馴染みのコンビニの入店音もまた今日は特別だ。
コンビニ定員は興味なさげにいらっしゃいませーの声かけをする。
「温めますか?」
「あ、結構です」
俺たちは一度顔を見合わせてからそう答える。
夏なのに温めて暑いじゃないか、と。
「それでは、いただきまーす」
手を合わせて軽快な音を鳴らし蓋を開ける。
「んーー!!美味しー!!」
「あー、身体に染みるーー」
何その例え。サラリーマン?
派手派手だろ?
派手の使い方!!あははは!!!
笑いまくって、笑い転げた。
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澪凪(プロフ) - こんにちは!なんだか切ないな…。私も、生きて償うべきだったかなって思います。でも、それだけ人一倍責任感が強い子だったんだなと思うとすこし複雑な気持ち。とっても素敵なお話でした、ありがとうございます!! (2021年7月29日 10時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - あの夏が飽和するはもちろん好きですが、この作品も大好きになりました。宇髄さんの作品はあまり読まないんですが、題名から惹かれて最後まで読み切ることができました。とても夏らしくみずみずしい、鮮やかな文章でした。素敵なお話をありがとうございます!! (2021年7月25日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - はじめまして!彼女の行動はいろいろな捉え方ができるけど、私もやっぱり生きて償うべきだったかなぁと思います。素敵なお話ありがとうございます!! (2021年7月24日 17時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
お酒 - し…死ネタ…地雷だった…心が苦しい…(/ _ ; ) (2021年7月23日 1時) (レス) id: 48240712ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもんのティー | 作成日時:2021年7月22日 19時