涙を炎に

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刀を構えていると、真横から物凄いスピードで鬼が迫ってきた




間に合わない....!



　「っ....！」



冨「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」





私に迫っていた鬼が冨岡さんによって切られる






冨「呼吸を整えろ。落ちつけ、距離を取るんだ」




　「は、はい！」




冨岡さんからの喝でなんとか数体を切ることが出来た





冨「俺はあちらの方を見てくる」




そう走り去る冨岡さん



....ここらへんにいる鬼はほとんど倒したのではないだろうか




ホッとして気を抜いてしまった私の後ろから残りの1体が迫ってる事に気づかなかった





背中に衝撃を受け、気づいたら地面に押し付けられていた





　「あぐっ....！」





最終選別の時に肩から背中にかけて出来た傷のある場所に鬼の爪が喰い込む




鬼の下卑た笑い声が頭上から聞こえる




どうしよう、刀も手を離してしまった





なんとか抜け出さなきゃ....！



　「....くっ,..」




身体を反転させようと力を入れると激痛が走る



しぬ...の？初任務で...？








煉「炎の呼吸 壱ノ型 不知火！」





頭上の鬼が悲鳴を上げる





サラサラサラと砂のように散る鬼


　

私の背中に食い込む爪も消えた








煉「A少女！無事か！」




　「は、はい....」




私の身体を仰向けにして抱きかかえる炎柱様と目があってしまう





しまった.......






その目が大きく見開く









煉「......A......！？」






私は思わず目を逸らす





こちらに駆けよってくる冨岡さんが見える








冨「A、怪我は？」






　「...はい....っう...最終選別のときの傷が塞がりきってなかったみたいです」




緊張が取れた身体は痛みを感じ始め、顔が歪む




背中からは止血しきれてないのが自分でわかるくらいに血が流れていた






冨「そうか。このまま俺の屋敷にいこう」









その言葉に炎柱様が鋭く冨岡さんを睨んだのが見えた

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