何も無かったかのように、なんて。 ページ9
何だかいたたまれない気分になり、零と薫の顔を交互に見る。
『あのー…零?薫?』
「…やっほー、Aちゃん。来てくれてありがと」
…やっぱり、無理に笑っている気がする。いつもの薫じゃない。それは零だって同じ。何だか本当におじいちゃんになってしまったようにぼうっとしていて…正直、見ていられない。
「さて、Aも来てくれたことだし始めようかのう…わんこ、アドニス君?」
何を、と私が言う前に晃牙とアドニスが声を荒げた。
「何をだよ吸血鬼ヤロ〜…!!俺らはこんなヤツの相手してる暇ねぇんだよ!!」
「…朔間先輩や羽風先輩たちは騙されている」
グサッ。
うーん、久しぶりに暴言を吐かれた気がする。久しぶりに言われるとちょっと心にくるものがあるかな!!
『とりあえずは話を…』
「お前なぁ、今更何言ってんだよ!!自分だけ何も無かったようなふりしやがって!!」
大声でまくしたてられ、驚く。
今までこんな晃牙は見たことがなかった。いつも言葉使いが悪いけれど、今日は何だか…違う。
「お前ら、ななみが悪い悪いって言ってるけどよ…裏切り者はどっちだよ!!もう忘れたのか!?」
その言葉は、
「お前が朔間先輩たちをっ!!殺したんだろうが!!」
あまりにも事実で、正論で、返す言葉もなくて。
そして頭の中がショートしていく様な感覚に陥っていった。
しまった、というような顔をして口をふさぐ晃牙。なんでそんな顔するの?それは事実なのに。
「っ、晃牙！！！！」
零が晃牙の胸ぐらを掴み、怒鳴る。零の顔は今までに見たことが無いくらい怖かった。
『…零、晃牙の言ってることは事実だよ。間違ってない。』
「A、違う。それは＿」
『そうだよね、今まで何でヘラヘラ笑ってたんだろ。そんなこと許されないのに。』
ぐるぐると思考は回転する。
記憶が、引っ張られる。
『…私、頭冷やしてくる』
そして私は残酷な追憶への扉を開く。
「英智先輩、教えて下さい。」
「君たちが、後悔しないのなら。…きっとAちゃんは嫌がるだろうけど、ね」
＿生徒会室には、勝利の女神、皇帝。それから…甘い紅茶の香りが立ち込めていた＿
無理矢理に開かれた舞台/1[追憶]→←I do not need to know.
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晴色 Haruiro - こ…更新停止になっている…！めっちゃ気になるところ…！ (2020年9月28日 22時) (
レス) id: cb91fa8278 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち - いやあの…2winkは何処へ？？ (2020年5月8日 0時) (レス) id: 8838e23b4e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 思わず家族の前で大号泣...です！！笑 とても面白いです！続き待ってます！ (2020年4月29日 20時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
あや - ギャグとシリアスの要素をどっちも入れたお話がすごい好きです!夢主ちゃんのおふざけ読んでて面白いです!これからも更新頑張ってください! (2020年3月13日 0時) (レス) id: b66ce4994b (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 合格おめでとうございます！また話がみれるなんて嬉しいです！さっそく今までの話見返してきます！ (2020年2月29日 17時) (レス) id: 185b755f08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kairi | 作成日時：2019年5月15日 16時
