【あんスタ】やまない雨などないのです。【裏切り】

パズル ページ42

Noside

＿昼時の、夢ノ咲学院の体育館裏。

そこは絶好の穴場スポットで、春や夏になれば沢山の花が咲き、秋や冬になればたくさんの猫が集まってくるんだとか。

そんな知る人ぞ知る穴場スポットに、一人の生徒が紙を撒き散らして何かを一心不乱に書き上げています。

「あぁ〜!!インスピレーションが沸き上がるっ！」

knightsのリーダーであり、王様。月永レオ。
彼は五線譜の上に音符を書きなぐっていました。作曲の最中です。

「あぁ〜!!でも最近Aたちに会ってないし喋ってもないからな…インスピレーションが急に萎えた…」

彼は手を止め、下を向きました。

「でも…まさか俺が藤堂側に行くとは思ってなかっただろうな〜?まぁこれも作戦の内だけど＿な、天祥院」

彼が振り向いた方向には…学院の皇帝と呼ばれる存在、天祥院英智が立っていました。

「まさか月永くんがこんな強行手段に出るとはね」
「まぁな。俺もちょっと迷ったんだけど…俺を堕ちたと見せ掛ける、いい機会があったからな」

そう言って不敵に笑う彼の瞳には僅かな怒りが宿っていました。

「俺が簡単にあいつに堕ちる訳ないだろ〜?俺はいつだってAの味方だからな!」
「…それで、藤堂さんに近付いたのは情報をたぐり寄せるため…かな?」
「勿論」

彼は自分の命を掛けてまでも女王を守ろうとする王であり、騎士だったのです。

皇帝は微笑してその場を去りました。まるで、何事も無かったかの様に。



「さぁ＿もうすぐ決戦が始まる」



皇帝と王様の昼下がりの話。

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