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Odd Ones ページ40

ケツアゴゾンビの最新巻を探しに本屋に入った

個人経営の古い本屋で、
もうなん十年もの間売れ残っているような本まであるという意味では品揃えは悪くはない
ただし、本がほとんど無作為に並べてあり、なかなか目的のものが見つからない

(あった)

やっと見つけた最新巻を脇に抱え、レジに並ぼうとした時
ふとある本が目に止まった


「歳上との恋愛方法論」


(…くっだらねー…)

5年は売れ残り続けているのだろうか
表紙は古ぼけ、日に焼けている

(こんな本売れるわけねーだろ、胡散臭すぎ)

と、特に歩調を緩めることなくその本の前を通り過ぎ……


立ち止まった

脳裏にはさっき見た光景が高画質で再現される


休日。
(Aの)大学もないので俺は昼過ぎにAの家へ向かった

が、その途中であれは起こった

俺は見てしまったのだ
Aが男と親しげに並んで歩いているのを

男の顔は見えなかったが、身長が高く(だいたい島崎ぐらいだった)、スーツを着た、どこからどう見ても「大人」なやつだった

そして何よりも、Aの顔

その男に頼りきったような、なんていうかすげー幸せそうな顔

前に一度、どういう経緯でかは忘れたが島崎の女にあんなやつのどこがいいのか聞いたことがあった
確かその女は「頼もしいから」みたいなことを言っていた気がする

それに比べて俺は………年下で、明らかにガキ扱いされている









(あー、なんか思い出してへこんできた…)

そう心の中でため息を漏らしたあと、さっきの本に対する興味が次第に膨れあがってきた


(…ちょっと立ち読みするぐれーなら)




さっきの本棚へと戻り、「歳上との恋愛方法論」に手を伸ばす

するとちょうど俺の手が本の表紙に触れると同時に、他人の手が当たった




「「!?」」


俺もそいつも同時に体をびくつかせた



((まさか俺以外にもこんな本に興味のあるやつがいたとは………))

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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時

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