脇役女子が主人公 (ページ5)

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入試ページ5

「終了〜！！！！」

最後の方の記憶はほぼない。
必死に逃げてた。

気付いたら試験は終わっていて。

気付いたら校舎を出ていた。

「疲れた」

あの後、女の子には頭を下げてお礼を言われた。
名前聞くの忘れたなあ、可愛い子だった。

そんな事をぼーっと考えながら家路を辿る。

「ねえそこのかわい子ちゃん」

ポンっと肩を叩かれて振り返るといかにもチャラそうな金髪男子。

「雄英受けてたっしょ？俺も！」

「そうですか」

なんだこいつ。
軽く流して帰ろうとするけど何故か隣を歩き出した。

「あの試験やばくね？まあ、俺は楽勝だったけど！」

「すごいですね」

「だろ！？よかったら今からお茶しない？」

感想会しながらさ！なんて言って微笑んだ。
急すぎ、絶対断られ続けてるタイプ。

「私…彼氏いるんで」

頭の中に。

「まじで！？ショック」

ショックって…会ったばっかじゃん。

「んじゃまあ、友達で！俺、上鳴電気。よろしく」

え、着いてくるの？？
コイツやばい奴じゃん…

「君は？名前なんて言うの？」

「A…」

「それ下の名前だよな？よろしくな、A。俺のことも下の名前で呼んでくれていーから！」

わりと一方的に話しかけられて適当に返してると駅に着いた。

「あ、俺こっちだから！じゃあな！A！」

「はーい」

「お互い受かってるといいな！」

「…そうだね」

最初は危ない人かと思ったけど案外良い人そう。
もし彼も私も受かってたら雄英初の友達か…

…なんだろう、ナンパが友達って嬉しくないな。

そんな事を考えながら電車に乗った。

・

そして1週間後。

『ここが君のヒーローアカデミアだ』

私は夢へ一歩近づいた。