【呪術廻戦】いのちにかえても【五条悟】過去編 (ページ23)

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他人に救われる準備ページ23

2007年9月
□□県□□市(旧□□村)

＜任務概要＞
村落内での神隠し、変死
その原因と思われる呪霊の祓除

・担当者(高専３年夏油傑)派遣から５日後
旧□□村の住民112名の死亡が確認される

・すべて呪霊による被害と思われたが、
残穢から夏油傑の呪霊操術と断定

・夏油傑は逃走
呪術規定９条に基づき呪詛師として処罰対象となる

―――

in the mind of Satoru.

五条「は？」

夜蛾「何度も言わせるな。傑が集落の人間を皆殺しにし行方をくらませた」

五条「聞こえてますよ。だから「は？」つったんだ」

夜蛾「…傑の実家はすでにもぬけの殻だった。ただ血痕と残穢から、恐らく両親も手にかけている」

五条「んなわけねえだろ！！！！」

夜蛾「悟」

夜蛾「俺も…何がなんだかわからんのだ」

何がなんだかわからん、とかの話ではない。

灰原が死んで。

でもそれ以外は、何も変わらないはずだった。

術式対象の自動選択ができるようになったときも、俺と傑は一緒だった。

Aが反転術式を使えるらしいと話した時も、笑って「凄いな」と言っていた。

唯一無二の、親友”だった”のだ。

その後すぐに、硝子から着信が入る。

傑が新宿にいるとのことだ。

俺は、無我夢中で走った。

五条「説明しろ傑」

何故か息が切れなかった。
目の前に立っている親友が、普段通りの姿すぎて、全部嘘なんじゃないかとすら思えた。

夏油「硝子から聞いただろ？それ以上でも以下でもないさ」

五条「だから術師以外殺すってか！？親も！？」

夏油「親だけ特別というわけにはいかないだろ。しかし…クックッ、妙だな」

五条「…は？」

夏油「Aと同じ表情をするんだな、悟」

五条「…ちょっと待て。Aに何をした」

夏油「何も。別れの挨拶をしただけだ。あと…誘ったが来てくれなかったよ、ただ私の袖を握って泣いていた。本当に愛らしい子だ」

これは傑の挑発だ。

傑は分かっているのだ。

俺が、Aを特別に思っていることを。

乗るな。対話をしろ。

自身にそう念じるも、手が震える。

夏油「もし私が君になれるのなら、この馬鹿げた理想も地に足がつくと思わないか？」

夏油「Aが一緒に来てくれればもっとよかったんだけどね。でも、生き方は決めた。後は自分にできることを精一杯やる」

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