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「聞きたいことは、沢山あります…」
ポツリポツリと話し始める彼女。
しかし、こいつはきっと頭が良いのだろう。
加えて両親が殺されたというショックにも、赤の他人である俺に対して弱さを見せないように踏ん張っているように見える。
いいね。そういうところも呪術師に大切なところなんだよな。
「五条…さん。私は貴方を、信頼していいんでしょうか」
震える小さな身体。恐怖に覆われた瞳。
なのに俺をまっすぐ見ている。
考える前に答えていた。答えなければいけないと思った。
五条「信頼していい。俺はお前…いや、Aの味方だよ」
サングラスを取って、彼女の背丈に合わせて腰を屈めた。
普通の学校に通って、普通に友達が居て、普通に幸せに過ごしていた日々がいきなり崩れ落ちる。
呪霊による被害者は何人も、何万にもいる。
でも俺は、こいつだけは―――守らなければいけないと、自分の本能が言っていた。
「うっ…あ、うわあぁああああん……っ」
五条「―――ッ!?え、おい、……」
味方と告げ、サングラスを取った瞬間、Aはその場に泣き崩れた。
すぐさま彼女を抱き寄せると、俺の背中にぎゅうっとしがみつくA。
――一応、信頼してくれたの、か?
人目もあるので、そのままAを担いでとりあえず高専に向かうことにした。
Aの両親のことは、警察から高専に連絡が行くように手配してある。
これからのことを色々決めるためにも、信頼できる仲間の元へ助言を求めよう。
――いや、傑と硝子のことだ。
どーーーーーせロリコンだのなんだのって言われんだろーーな。
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作者名:佐々 | 作成日時:2021年1月20日 13時