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「うーん…オムライス!」
五条「食の好みだけは、年齢相応で安心するわ。行くかぁ、その後ケーキ食お」
ひょんなことから先生とご飯に行けることになって嬉しい。
でも、やっぱり気がかりだ。
私の能力が特殊だと、先生に何か迷惑がかかるのだろうか。
上層部というのは何なのだろう。
――そして気になることがもう1つ。
「先生、私とご飯行って大丈夫なんですか?」
五条「なんで?」
「彼女さん…」
先日初めて知ったので今までのことは仕方がないにしても。
こうして2人で出かけることを、嫌がったりしないものだろうか。
私は彼氏という存在ができたことがないけれど、クラスの女の子が言っていたのだ。
『私がいるのに他の女と話していてムカつく』と。
五条「…カノジョ?あ、あ〜〜〜。はいはい」
「?」
五条「ははっ、つーかマセてんなぁAは。大丈夫だよ、小学生のチビッコに嫉妬する高校生なんていねーから」
―――小学生のチビッコ。
ああ、それは私のことか。
そうだよね、先生からしたらその通りだと思う。
6歳も離れているんだもん。
でも、この気持ちはなんだろう。
『そうですよね、私なんて嫉妬の対象にならないくらいの子供ですからね』と、すんなり認めることができなかった。
「…」
五条「Aさ、学校でそんな会話してんの?やっぱ女子ってそうなん?」
「好きな男の子の話とか…しますよ。彼氏いる子もいるし」
五条「小学生でぇ!?フーン、今時のガキはホンットにマセてんだな」
ガキガキ言われるの、嫌だな。
会ったばかりの頃は、そんなこと思わなかったのにな。
私は先生に無表情で相槌を打つ。
五条「で、Aは?」
「…私ですか?えっと、何の話ですか?」
五条「好きな
―――好きな子、か。
友達と話していても、やっぱりそういうことを聞かれるけれど、瞬間的に「いないよ」と答えている。
両親が死んで、違う世界を見て、正直同じ小学校で好きな男の子が〜、なんて平和な思考にはなれていないのだ。
それに私の世界を動かすのは、今、先生しかいない。
「いない、です」
五条「ふぅん?」
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作者名:佐々 | 作成日時:2021年1月20日 13時