Fall in love 【短編集】 JW&KJ

よく見てるよ　　　Ｍａｔｏｒｉ．Ｈ ページ11

.









貴「だから林君！」

真「真鳥でええのにー。」

貴「そうちゃうくて！私に構わんでください！」



毎日そういう度


林君は「ん？」と分からないふりしてあざとく首を傾げて



「意味わからへーん！」なんて頭悪いふりして


にっこー！と笑って


私の隣に来る。







.







私が女の子から嫌われやすいのは自覚してる。


口は悪いし


そのくせ空気読んで人の悪口に乗っかったりできないし。



かといって男子に好かれるような性格でもない。




自分のせい。自覚してる。


だからもう、今更一人なのを嫌何て思わないようにして


せめてのプライドで自ら一人になってるのに。







何で男女から人気の林君が私に構うの。


何でこれ以上嫌われるようにするの。









.









被害妄想をしそうや。


わざわざ自分を犠牲にして、もっと嫌われるようにして


それでもっと孤立させようとしてる、なんて。



ああ嫌だ。真っ黒だ。







真「Aちゃん、確かカフェオレ好きやったやんな？はい。」




この人の笑顔も声も全部


真っ黒に見えてしまう。









.









貴「・・・本当にやめてください。」

真「え？」

貴「迷惑なんです。」




そういうとさすがに、眉をピクリと動かした。







貴「からかってるならもうやめてください。それとも嫌いなんですか？」









.









.









真「俺がいつそんな事言った？」




声が低くなって


冷たく、棘があるように感じて



今更、痛い、つらいなんて感じる。









真「Aちゃんは、人の表情よく見る子やと思っててんけど。」








.








.









真「直接言うで？じゃあ。Aちゃんのことが好きです。」




そうして


イエス・ノーを選ばせるように



さっき私に差し出したカフェオレを


私の前に持ってくる。









貴「・・・・人の表情なんて、ちゃんと見てないです。」




真っすぐ私を見てくれる人の顔しか見れないもの。








.









貴「・・・・カフェオレは、好きです。」




ずるい私が


やっぱり大嫌いだ。





それなのに林君は笑って私に言う。









真「好きな子のことはよう見てるから。」




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

チャラくない(なぜ)

女の子は泣かない　　　Ｄａｉｋｉ．Ｓ→←裏表Ｌｏｖｅｒ２　　　Ｎｏｚｏｍｕ．Ｋ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す