言の葉 ページ20
「……村山さん、ちょっとお話ええですか?」
夏の日差しにうんざりしつつ、
汗ばむ背中に嫌悪感を抱きつつ、
いつも通り仕事を全うしいつも通り店を閉めた夜。
いつかのように、彼がまたあたしを待ち伏せしていた。
――いい加減ストーカー容疑で訴えられるレベルだと思うが。
控えめにあたしに近寄ってきた丸山さんは携帯を握り締めていて、はっと自分の携帯を見ると不在着信が入っていた。
断れぬまま連れられた焼き鳥屋の個室で、
あたしは気まずさを洗い流すようにビールを流し込んだ。
今日、酔ってしまうとおそらくまずいからほどほどにしておかなければ……
少し久し振りに見た丸山さんの口元には薄っすらと無精ひげが生えていて、目元には隈が見える。
心なしかやつれているようにも見えた。
「――俺、ほんま、頭に穴空くんちゃうかってくらい考えてん。
寝る間も惜しんで、ひたすら考えた。
――でも、結局、分からんかった…」
絞り出すような丸山さんの弱々しい声がそう切り出す。
「答え、出えへんかった。
ほんなら俺はどうしたらええんやろうって、
ずうっと堂々巡りやねん。
――やから、もうとりあえず埒あかんから
これ言わんことには何も始まらへんて思って……」
チラリと丸山さんの顔を見上げると、
弱々しい声とリンクしたように弱々しい表情をしている。
しかし、そうは言っても…
「――あの、話が見えないんですが…?」
この人が何が言いたいのかはさっぱり伝わらない。
だけど、
眉を下げ悲し気な瞳を携えた表情の中に、
僅かな光と縋るような色が見える意味は
それ以上に理解不能だった。
――だけど、
本当は、気付いていたのかもしれない。
こうなることを恐れて、
気付かぬふりをして逃げ回っていた自分に気付いたのは、
少し、
遅かった。
「――俺は、まだ、
村山さんのことが好きです。」
何となく予想できていたとしても
改めて言葉にされるのが怖かった――
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渡璃凛(プロフ) - ○○さん» 長らく返信しておらずすみません;;; よろしければ引き続きよろしくお願いします。 (2021年5月7日 10時) (レス) id: 800f7c5fac (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - うぅ苦しい辛い…泣。けどめちゃくちゃ展開がまた楽しみになりました!はあああ丸うううう泣 (2021年1月25日 20時) (レス) id: 155ff908a4 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - コメントありがとうございます。恐れ多いお褒めの言葉をたくさんいただいて嬉しいですしこれからもお付き合い頂きたいですしおすし(笑) 若干亀更新ですがよろしくお願いします。 (2021年1月25日 10時) (レス) id: 800f7c5fac (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 内容もありきたりじゃないし、読みやすいし聞き手側に想像しやすい表現ですし!変な関西弁じゃないですし!自然な感じで内容も面白くて急展開になってきてて面白いですね!(いやおすしって言わないんかーーーーーーい自分) あ、おすし← 次のページも楽しみにしてます! (2021年1月25日 3時) (レス) id: 155ff908a4 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 面白いですね! (2021年1月25日 3時) (レス) id: 155ff908a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡璃凛 | 作成日時:2021年1月6日 14時