【歌い手】夢のようで、夢じゃない。

story.14／××に向かうその前に ページ16

ライブが終わり、チラシとアンケート用紙が配られる。
まぁ、ともくんもそんなに早く××に着いている訳もないだろうし、アンケート用紙を書くことにした。


(ゲコチューのなりきりフードタオルグッズ出せって前から言ってるのに出ないなぁ…)


そんなことを思いつつ、前回と同じく欲しいグッズに"ゲコチューのなりきりフードタオル"と書く。
その他の欄も適当に埋め、回収ボックスに投下。


(…これでよし。××は…まぁまだ会場出れないよね)


そう思いつつ、××の近くのゲーセンへ向かうことにした。
…そのゲーセンは、いつも行っているゲーセンなのだけれど。

私は、地下鉄の駅方面へと歩いていった。


◆


私は、夜のゲーセンが好きだ。
庶民的だけれど、なんだか大人の世界な気がして。
特に、音ゲーコーナーは大体暗い中、電飾がキラキラと輝いている。
それが、なんだか夜景みたいで、宝石箱みたいで。
まぁそんなものは昼間でもよくある風景なのだが、何より違うのは客層。
大人ばかりで、騒がしい餓鬼どもがいない。
ゆっくり、自分のペースで楽しめるのが夜のゲーセンの魅力だと思うのだ。

ちなみに自分はたぶん年齢的にはこの時間にゲーセンに居れないけれど、よく大人と勘違いされる私だ。多分、居れるだろう。


とか考えていたら、いつの間にか大通駅に着いていた。
地下街を通って、エスカレーターで地上に上がり、そして商店街を少しだけ歩けば――

いつものゲーセンに、到着だ。

story.15／いつものゲーセン→←story.13／腹黒いってなんなんだろうね ※ライブネタバレ注意

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