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page14「護られる」 ページ22

「…ぃ!………ぉい……A!!!」

朦朧とする意識の中で自分の名前を呼ぶ声で私は目を覚ました。自分の呼吸はとても乱れていて、全身に汗をかいていて気持ちが悪い。隣を見るとキヨくんとまふくんの姿があり、その他に何人かの看護師さんが慌ただしく動いていて、よく見ると自分には点滴の針や酸素マスクなどが複数取り付けられている。

「大丈夫!?」

まふくんも隣にいるキヨくんも心配そうな表情をしていた。
そんなことを気に留める余裕もなく私は泣いていた。

頬から涙が伝ってそれが重力に逆らうことなく、ベッドのシーツを濡らす。
安心して泣いているのか、それとも哀しくて泣いているのかもわからない。

けど、あの夢の中での恐怖と不安は胸に刻み込まれている。
あの恐ろしいほどの劣等感を。

呼吸が整って暫くすると酸素マスクが外された。それを横目に2人はもう一度、「大丈夫か」と問う。それに私は静かに頷くだけだった。

看護師さんはやるべきことをし終わったのか、「安静にしていてください」と言い残して病室を後にした。緊張している空気は変わらず誰も口を開こうとしなかった。
話す気になれないとでも言うべきなのか、静寂がこの空間を支配する。
1番先に口を開いたのはまふくんだった。

「ごめんね、前は急に帰ったりして…」

いつものテンションが高い会話をする訳ではなく、まふくんは前、急に帰ったことに対して謝る。

「気にしなくていいよ、また話ができて嬉しい…」

と笑ってみると彼は安心したように「僕も嬉しい」と笑った。

「なんか変な夢でも見てたのかよ?」

なんてキヨくんは少し笑いながら私に問う。

「例えばー、まふおにストーカーされたり、まふおに盗撮されたりとか」

「ちょ、僕そんなことしないから!!!特にストーカーって何!!??怖すぎでしょ!!」

2人がいつもの空気で会話をしだす。
それが安心する 筈なのに、胸の中のモヤモヤとした気持ちが消えない。

「まだ体調 悪ぃか?」

黙っていた私を気にかけてキヨくんは尋ねる。

「…そうじゃないんだけど……」

あの夢について話すべきか。唯の憶測でしかないがあの夢は私の無くしてしまった記憶。
赤の他人なわけが無いと私は何処かで確信しているのだ。

でも前キヨくんは思い出さないほうがいいと言った。【私を護る為】だと。


_______聞かなければ、護られるかも知れない


_______だけど、それじゃ




「……私に妹か姉がいたの…?」





_______逃げてるだけだ。

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作品ジャンル:恋愛
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雨中と猫。(プロフ) - ちょこさん» うわああああんすみませえええええんがんばります (2022年2月10日 2時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年12月20日 22時) (レス) @page49 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - いちごポテトよーぐるとさん» 返信が遅くなりすみません!めちゃくちゃ嬉しいです、現在別作品「笑えないって」リメイク更新中ですのでもう暫くお待ち下さい!! (2021年12月9日 18時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
いちごポテトよーぐると(プロフ) - 色々な感情で涙が……とても面白かったです…。更新待ってます、! (2021年8月17日 0時) (レス) id: 33ba1212be (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 眠夢_さん» うわああああありがとうございます!!今メインで書いている「笑えないって」という小説のリメイクを行っていてそちらが落ち着き次第こちらも更新しようと考えております!絶対完結はさせますので何卒ー!! (2021年8月13日 3時) (レス) id: 6b41ff11b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨中と猫。 | 作成日時:2017年4月29日 2時

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