惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ31)

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ビックリしスギページ31

深澤「おー。こんばんはぁ」

『こんばんは・・・深澤先輩』

渡辺「うっす」

久しぶりの深澤先輩は、どこかお疲れな顔をしてる
やっぱり補講終わりだから疲れてんだろうな

『お疲れな顔してますね。』

深澤「んー、でもAちゃんに会えそうだったから俺頑張っちゃった」

渡辺「なんだそれ」

深澤「そのまんまの意味だよ。じゃあ帰ろっか？」

『あ、はい・・・。じゃあ渡辺君、ここまでありがとう』

渡辺「ん。おやすみ」

駅前で渡辺君と深澤先輩がバトンタッチして、帰路に就く

深澤先輩は肌色が白いからか、寒さで少し透けるようにも見える

『今日、補講だったんですよね？お疲れ様です』

深澤「そー。めっちゃ疲れた。だからさ」

立ち止まって、私を見つめる視線が熱い
目の奥が深くて見つめ返すとドキドキが止まらない

深澤「甘いの、俺食べたいんだけど。もってなぁい？」

『・・・渡しても、いいんですか。』

深澤「ほしーいなぁ。」

『どうぞ、これです。』

やっと寂しがっていた紫のラッピングを彼に渡せる
きっとこれはほかの人たちのよりもおいしいはず。

気合が違うからね

深澤「今日予定ドタキャンしちゃってごめんねー。」

『佐久間先輩とかには会えましたし、満足してます！』

深澤「さっき聞いた。あいつまだ食ってないの！」

『え？昼過ぎに渡したのに？？？』

深澤「俺に見せつけてきたからさ。まーじで悔しくて！！！」

『今日会えなかったら、自分で食べようかと思ってたんです』

深澤「えぇ！？あぶねぇ、ギリギリセーフだ」

渡したお菓子を大事そうに頬ずりしてかみしめてる
そんなに大層なものではないんだけど(笑)

『家に帰ったら早めに食べてちゃってくださいね』

深澤「おっけ。味わって食べるね」