惑わせる彼【紫】 (ページ46)

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気付かないでページ46

佐久間「Aちゃん、ごめんね、？」

『何がですか？佐久間先輩、やっぱりかっこよかったですよ』

二人にしか聞こえない声のトーンで伝えると、少しだけ口角が上がった
さっき、明らかに今までの態度とは違った、彼の姿は本当にカッコよかったです

佐久間「またご飯行こうね、今度はふっか抜きで！」

『もちろんです。楽しみにしてますね、おやすみなさい。』

その後、私の家まで送るといってきかないので、渡辺君と岩本君が一緒に帰ってくれている
夜も遅いし頼りになるなぁ

岩本「Aさ、受験の方はどう？」

『椿沢女子大の学内選考が、9月の末にあるんだ。だから追い込み中、かな』

渡辺「俺ら、受験方法は違うけど照と俺は結局須能大学だよ」

岩本「また翔太と一緒。まぁ学部違うけどね」

『二人とも一緒なんだ。なんかうらやましいな』

私は女子大だし、少しだけ蚊帳の外っぽい。まぁそりゃそっか
今後、受験が本格的に始まったらこうして遊ぶのもできなくなるな
・・・寂しい

渡辺「9月から、Aのシフト減ってんじゃん？だから忙しくなんのかなって」

『まぁ、ね。週一しか入らないし、その曜日は渡辺君と被らないもんね』

岩本「会えなくなるの、寂しいんだってさ」

渡辺「は！？そんな事ねぇし！！！！」

『え？寂しがってくれてくれるの？渡辺君が？』

岩本「な、しょっぴー？？？」

なにこの可愛いあだ名。しょっぴーなんてかわいいあだ名で呼ばれてんの？
ちょっとそこのところ詳しく教えて？

渡辺「おい照！！！ふざけんなよ！！！」

『そうなの？しょっぴー？』

渡辺「お前、マジでやめろ。恥ずかしいから絶対バレたくなかったのに・・・」

ずっと私の家に着くまで、
岩本君と私で話しかけるときにしょっぴーと呼び続けてると、さすがに開き直ってきた
どうやら、同級生の子につけられたあだ名らしい。
かっわいいあだ名だな

『じゃあ、私はここで。今日は本当にありがとう』

岩本「こちらこそ。誘ってくれてありがとうな」

渡辺「あんま根詰めすぎんなよー。じゃあなー。」

『じゃあね。おやすみ、しょっぴー(笑)』

ちょっと意地悪のつもりで言ってから玄関に入ると、外から
マジかよ、なんだよそれーーー！と騒ぐ渡辺君の声が聞こえる
ちょっと、面白いな

『ふふっ、おやすみなさい、か』