惑わせる彼【紫】 (ページ41)

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『でも、なんで紫なんですか？』

深澤「俺、昔っからよくバッシュとかも紫だったし、この色好きなんだよね」

確かに私が追いかけていたあの頃、練習や応援を見かけるときは
いつも紫色のバスケシューズを履いていたのを覚えている

中々紫色なんて履く人いなかったし目立ってたもんな

『思い出しました、確かに昔から紫ばっかでしたね(笑)』

佐久間「え！？ふっか指輪渡してんの！？ゲチゲチに本気じゃん」

手に渡されたリングを覗き込む佐久間先輩がまーた歓声を上げて一人で盛り上がってる
いや私より反応が女子になるの、やめれます？

深澤「ほーら、Aちゃん右手出して？」

『え？何する気ですか・・・？』

恐る恐る右手を差し出すと、
先輩が、少しぎこちなく紫が光っているリングを薬指に通す・・・

が

ちょっと大きかったみたい。

深澤「あっちゃー、Aちゃん指細かったか、失敗」

『ちょっと大きいですね』

佐久間「お、これは少し減点でやんすか！？」

深澤「仕方ねぇ、今回はこの指ね。」

深澤先輩は少しだけバツが悪そうに隣の中指にリングを通す
この指ならサイズもぴったりそう！

『ふふっ、ここならぴったりでした』

深澤「気に入ってくれたならよかった。まだここの指は予約、ね」

今回は断念した薬指をそっと撫でながらこんなことを言う深澤先輩は
本当に狡い

『二人とも、どちらも素敵で困っちゃいます！』

佐久間「でしょー？今日はこれつけておいてね」

『・・・えっそれはどういう』

深澤「あははは、Aちゃん驚いてる顔かぁいい」

『え、怖い怖い。どういう事ですかこれは』

佐久間「にゃは！言ったでしょ？今日は甘やかすって」

目の前の先輩たちは二人ともあり得ないくらいニヤニヤしていて多分何か企んでいる

まさか、

深澤「ただ合わせるだけな訳ないでしょ？プレゼント。」