惑わせる彼【紫】 (ページ33)

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今まで読んだことのない本に囲まれて過ごし、はやくも一時間が経過した
すらすら読める、訳ではないんだけどね。

よく過去問を解いていると、
女子大だからか女性雇用の機会や社会進出のような問題が多い気がする。
でも、意識の高い世界に足を踏み入れるのは少し難しい

『・・・ふう。』

少し目が疲れた。少しだけ休憩・・・。
図書館だから少しだけ背伸びをして落ち着く

深澤「んー・・・・・」

『ふかざわ、せん、ぱい？』

ふと対面の席のソファに座っている深澤先輩を見ると、腕組みをしながらぐっすりと眠っている
眉間には少ししわが寄っていて、寝心地が良くないのかも。
まあここ寝る場所じゃないですからね？

私が朝から来れるように申請してくれたんだよね、ありがたいな。

先輩がやってくれたことを無駄にしないように、効率よくやってかないと！

深澤「んっ・・・あれぇ、ごめん寝てた・・・」

『深澤先輩、おはようございます。』

あれからもう一時間程度読書を進めていると、先輩が起きた。

深澤「んー、Aちゃんおはよ。お昼食べに行こうか」

『ほんとだ。もう13時ですね』

深澤「今日は大学の食堂が開いてるから、そこに行こっか。」

何とか朝から集中出来たし、ちょっとはゆっくりしよう
食堂はかなりボリューミーなのに、美味しそうで仕方ない
朝ごはんを食べずに来たから、今なら食べきれそう！

深澤「Aちゃん、何にするか決めた？」

『はい、このチキン南蛮にしようかなって』

深澤「あぁ、それ美味しいよ～」

なんて言ってると、先輩はさりげなくチキン南蛮の食券を買って渡してきた

『え？深澤先輩、もらえませんって！』

深澤「いーのいーの！大学の中なんだし、先輩面させて！ゎら」

自分用にラーメンの食券を追加で買ってからカウンターに持っていく先輩
・・・本当にずるいなぁ

『先輩、ありがとうございます』

深澤「いーえ。ほら、ここの席座ろ。」