惑わせる彼【紫】 (ページ22)

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深澤「はぁい、ここが俺らの学部がいっぱい使うB棟なんだけど、こっちが研究室ねぇ」

学部ごとに各棟に振り分けられているみたいで、ここ以外の学部は少し遠いよう。
その中でも割ときれいで新しめのこの棟は、最近創立された学科らしい。

深澤「割とここの学部は少人数でいいよー、やりたいことだけできるし」

岩本「ふっかって今大学で何してんの」

深澤「うーんなんていうか、人が集まる所の理由とか原因を調べてる、ってとこかな」

『じゃあさっきの授業に少し関連する内容ってことですか？』

深澤「そ。まぁ他学部の授業とかもとれるからあんま縛りないよ」

うわぁ、すっごい大学生みたいな話だな
高校の校舎とは違う、白を基調としたインテリアが多い研究室を少しだけ覗かせてもらい
少し背伸びをしたような気がする

深澤「まぁ真面目な案内はこんなもん。あと何がみたいー？お兄さんに言ってみなさい！」

渡辺「ふっかさんは、ここの大学なんで入学したんすか。」

深澤「えぇ？あんま面白くない質問だなぁ！ゎら」

まぁ、強いて言うなら環境を変えたかったんだよ。なんて含みを持たせた言い方をする先輩は
さっきまで隣で話していた時よりも顔つきが大人に見えた。

『あ、ごめんなさいそこの自販機いってくるのでちょっと待っててください。』

・・・・・・・・・・・

深澤「んで？翔太君はなんで俺にそんなに敵意むき出しなわけ？ゎら」

渡辺「別に。」

深澤「まさか、Aちゃんが俺にとられるーとか思ってない？」

渡辺「っ、はぁ！？」

岩本「おい、ふっか！！言いすぎだろ」

・・・・・・・・・・・・・

結城「おーい！ふっかじゃん！！」

深澤「・・・結城、どーしたんきょうもかぁいいね。」

結城「教授が明日の講義室変更になったって言ってたから・・・この子たちは？」

深澤「あー、この間話したかわいい後輩とその友達。」

岩本渡辺「「ども。」」

結城「はじめまして、ふっかと同じ学部の結城です。こいつ真面目に案内してくれた？(笑)」

何あれ。自販機から戻ったら知らない女性が隣で先輩の肩触ってる。
なんだか心の奥底でどす黒い色のナニカが生まれる音がした

『ただいまです、あの、』

深澤「あぁ！Aちゃんおかえりぃ」

結城「はじめまして、深澤の同期の結城です。Aちゃん？」

『はじめまして、結城さん』