悪魔（鈴木） ページ3
『ねぇ、鈴木さん』
暗い部屋を照らす鈍いオレンジ色の光は空中を舞う埃と彼を映した
「なぁに、Aちゃん」
声だけ向けた鈴木さんの瞳はパソコン画面のままで
また、お姉ちゃんだ
パソコン画面に夢中な彼が見ているのはいつもいつも私の姉、照子だ
『鈴木さん』
一歩、一歩踏み出して彼の隣に視線を合わせて
『鈴木さん』
もう一度呼べばその瞳は私に向いた
「どうしたの？Aちゃん」
優しい声、優しい瞳
けれどそれはお姉ちゃんの時とは違う
私がお姉ちゃんの妹だから向けられているもなんだ
『ねぇ鈴木さん、私じゃダメ……？』
お姉ちゃんじゃなくて、私を選んでよ
再び画面を向こうとした鈴木さんにそう言えば、合った視線は笑う
「何言ってるのAちゃん。そういうことは照ちゃん見習ったらダメだよ。全く、おませさんだなぁAちゃんは」
どんなに本気でも彼の瞳には私なんて映ってなくて
『……んで……？なんでお姉ちゃんなの？歳だって2個しか変わらないのに、なんで私じゃダメなの？』
こんなにも好きなのに
鈴木さんが見ているのは姉ばかり
「だから言ったでしょう？僕と照ちゃんは――」
『佐伯さんが来てからお姉ちゃんは佐伯さんばかりじゃない！』
お姉ちゃんはズルい女だ
ただの興味本位で近付いて新しい何かを見つけたらまるでゴミのように簡単に捨てる
新しい玩具を手に入れた子供と同じ、もう古い玩具には興味がないんだ
『お姉ちゃんは鈴木さんのことなんて――…！』
そう言ってからハッとして口を噤めば、小さく聞こえたため息
『ご、ごめんなさい……』
「Aちゃんが謝ることじゃないよ」
私と合った瞳はやっぱり優しくて
「もう自分の部屋に戻りな」
そっと優しく撫でられた頭
『……おや、すみなさい』
好き
鈴木さんが好き
「うん、おやすみ」
その優しい声は静かな夜にそっと響いて
見上げた月はいつもと同じように淡い光を放っていた
『もし……お姉ちゃんがいなくなったらみんな幸せになれるのかな……』
足元で音を立てた砂利とポツリと呟いた声は夜の静けさに消えて
ポケットに入れた手の中で、鈍い重みを感じるそれを握ると二階の明かりを瞳に映した
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鈴木×照子妹ちゃん
映画悪魔の鈴木くんです。知っている方少ないかもしれませんが、中の人が今をときめく眼鏡くんです
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成田(プロフ) - 結衣さん» 初めましてこんばんは。ご指摘ありがとうございます。そうですね！直させていただきました！ (2019年5月28日 21時) (
レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 プリレジェ(京極 竜)のここの部分 目の前に立てばゆっくりの彼女の顔が上がった これ正しくは目の前に立てばゆっくりと彼女の 顔が上がったではないんでしょうか？ (2019年5月28日 16時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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