君を振り向かせるのは５【HQ】

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それから各校メンバーごちゃ混ぜでゲームをすることとなった。ちなみに黒尾さんと同じチームだ


審判は雀田さんがやってくれて、スコアボードは白福さん。そして副審に谷地さんがついた


普段できないようなこのメンバーでやるのは中々面白くて白熱する試合


ローテーションで何回か回って、丁度俺の側に立った谷地さんに、ふと彼女がこんなにも小柄な人だと改めて気づいた


Aさんはこの人に嫉妬したのか……


どこに？


背の小ささ？可愛らしい顔？小動物みたいなところ？



「赤葦！」
「え！？」



突然木兎さんの声がして気が付けば俺の足元を跳ねて行ったボール



「おいどうしたんだよ」
「すいません、ちょっとぼーっとしてて」



遊びだとしてもゲーム中にやってしまったなと素直にそう言えば、隣にいた黒尾さんがニヤニヤと俺を見た



「何々赤葦くーん？谷地さんのこと見てたのー？」
「……えぇ、まぁ。でも――黒尾さんみたいに無闇に触ったりしないんで俺は」



その意図がわかったからムカついてそう言えば、苦笑いする黒尾さん



「あー、昨日の。見てたんだ」
「まぁ」
「あぁ、そー」
「俺には真似できません、あぁいうこと」
「何それどーゆー意味？」
「好きな子以外に触るとか」



そんな黒尾さんに渡したくない



「随分堅物だね、赤葦くん」
「ダメですか？」
「まぁいいんじゃない？」
「黒尾さんは……どんな女性がタイプですか？」
「え、何いきなり」
「赤葦！」



落ちてくるボールに正確にトスを上げて田中が打ったスパイクが再び返ってくる



「なんとなく、ただの好みの話です」
「まぁ、髪はロングでー、かしゆかみたいな？――……でも――」



そう言うとレシーブを拾った黒尾さん



「好きになったらタイプとかそんなの関係なくね？」



その瞳は深く俺を捕らえていた





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